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2024年11月 | 派遣会社 厳選3社
ボーナスとは何か?
通常の給料は、多くの場合毎月定期的に支払われますが、ボーナスは定期的な給料とは別に労働者に支給される給料です。
ボーナスという呼び名の他に、賞与もしくは特別手当といわれることもあります。
ボーナスは夏や冬に支払われるのが一般的
ボーナスが支払われる時期に特別な規定はありません。
しかし、日本の企業や役所では一般的に夏は6月、冬は12月の年に2回、それぞれ夏季賞与、冬季賞与として支給されることが多いです。
ボーナスは払わなくてもOK
労働基準法上では、ボーナスは労働の対価として位置づけられており、賃金の1つとされています。
定期的な給料は毎月1回以上支払うことが義務付けられていますが、ボーナスは法律上必ず支払わなければならないものではありません。
企業がボーナスを支払うと決めた場合のみ、支払い義務が発生します。
ボーナスの支払い回数は、企業がそれぞれルールを決めることができます。
夏と冬の年に2回以外に、年度末に1回の企業、3回以上に分けて支払う企業、業績の良いときだけ支払う企業などさまざまです。
ボーナスを支払う規定がない企業の中には、通常ならボーナスとして支給される分を定期的な給料にプラスして、給料を12等分して支払うところもあります。
ボーナスは「基本給×支給率」で算出される
ボーナスは、しばしば「給料の何カ月分」という言い方で表現されます。
一般的なボーナス算出方法
この場合の給料とは、企業によって違いはあるものの、月々に支払われる総支給額ではなく各種手当を差し引いた基本給を意味することが多いです。
基本給は、年齢や勤続年数、職種、能力などに応じて算定されます。
ボーナスは、基本給に支給率をかけて算定されることが一般的です。
支給率は、企業の業績や今後の業務の見通し、労働者の人事評価などを踏まえて決定されます。
ボーナスの支給率は全社員一律同じとは限りません。
たとえば、遅刻や欠勤などがあったり、会社に損害を与えて懲戒処分を受けたりした場合は、その労働者のボーナスは減額される場合もあります。
また、企業によっては業績や人事評価に関わらず一律支給率を定めているところもあり、ボーナスの支給条件はさまざまです。
ボーナスの平均額
ボーナスの支給額の平均は、2018年の夏の場合で60万8000円です。
ただし、大企業と中小企業でボーナスの支給事情が異なるのと、このデータには大企業や公務員なども含まれているため、実情と一致しているとは限りません。
ボーナスが夏と冬の年に2回支給される企業では、一般的に夏よりも冬のほうが支給額は多い傾向です。
冬は、年末年始を控えて年越しの準備、クリスマスプレゼントやお年玉などで出費も多くなるため、ボーナスの支給額もそれに連動して多くなります。
企業規模によるボーナス格差
資本金が10億円以上で従業員数1000人以上、労働組合を持っているという条件を満たす大企業では、2018年夏のボーナスは約96万7000円と安定して高い傾向です。
一方、中小企業のボーナス支給額は20万円前後となっており、月給1カ月分にも届きません。
さらに、中小企業の約40%はボーナスを支給しないとしています。
大企業と中小企業でボーナスの支給額の格差は大きく、中小企業の場合はボーナスが出れば良いほうであるというのが現状です。
地域によるボーナス格差
また、地域によってもボーナス格差は大きく、政府統計ポータルサイト「e-Stat」によると、最高値の東京都の平均は約129万円、最安値の沖縄県の平均は約265万円となっています。
ボーナスの規定は会社によって違う
ボーナスが支給されるのか否か、支給されるとすればどれくらいの金額なのかは企業ごとに異なります。
ボーナスについてはそれぞれの企業の規定に定められているため、入社する前に確認しておきたいことの1つです。
企業によってはボーナスの制度を設けていないところもあるため、正社員として勤務しているからといって必ずボーナスがもらえるわけではありません。
ボーナスを年に2回支給する企業では、支給されるまでの半年間が査定に関わる期間です。
査定期間内にどれくらい企業の業績に貢献できたのかによって、支給されるボーナスの金額は変わってきます。
また、勤続年数や役職などもボーナスの支給額を左右する要素です。
一般的には、新入社員や勤続年数が短い人はボーナスの支給額が少なく、勤続年数が長い人や役職についている人はボーナスの支給額が多くなります。
派遣社員のボーナス事情
ここまでは、正社員のボーナス事情について解説してきました。
企業ごとに事情はさまざまで、中にはボーナス支給の制度がない企業もありますが、正社員にはボーナスが支給されるというのが一般的な認識です。
ここからは、派遣社員のボーナス事情について解説します。
派遣社員はボーナスがもらえないことが多い
派遣社員として働く場合、大抵はボーナスを支給されません。
それに加えて交通費も支給されない場合がほとんどです。
派遣社員の場合、交通費やボーナスに相当する金額を基本給に上乗せして賃金が算定されています。
そのため、パートやアルバイトと比較すると派遣社員の給料は一般的に高い傾向です。
派遣社員として働くと、普段の月給や日給、時給にボーナス分が含まれているため、改めてボーナスという形では支給されません。
ただし、場合によっては派遣社員でもボーナスが支給されることがあります。
派遣会社ごとにボーナスの支給についての取り決めは異なるため、派遣会社と契約する前によく確認しておきましょう。
派遣社員は実は得している?
派遣社員は基本的にボーナスがもらえないことが多いため、損をしているように感じるかもしれません。
しかし、派遣社員は基本給にボーナス分が上乗せされて計算されています。
一方、正社員の場合は、毎月の給料から積み立てられた分をボーナスとして受け取っているのです。
そのため、正社員と派遣社員の年収を比較した場合、あまり変わらないケースも少なくありません。
派遣社員の場合でもスキルによって手当がつく場合もあるため、必ずしも派遣社員のほうが給料は安いとは言い切れないのです。
正社員がボーナスで損しているケース
また、正社員の場合は、勤務状況の査定や企業の業績などによってボーナスが変動します。
いくら個人で業績を上げたとしても企業全体の業績が悪ければ、それに連動してボーナスが下がってしまうこともあるのです。
そして、正社員の場合は勤続年数が長くなれば給料が上がっていくシステムであるため、新入社員の初任給は低く設定されています。
派遣がボーナスで有利なケース
さらに、派遣社員の場合は契約時間を越えて業務を行った場合は残業代の請求が可能です。
しかし、正社員の場合は一定の基準を越えなければ残業代の請求ができないケースもあります。
派遣社員のほうがボーナス分を上乗せした給料をもらえて残業代もきちんと支給されることから、正社員よりもトータルでたくさん稼いでいることも稀ではありません。
派遣社員でもボーナスがもらえるケース
つづいて、派遣社員でもボーナスがもらえるケースについて紹介します。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先の企業に直接雇用してもらうことを前提として一定期間派遣社員として勤務する就労形態です。
ボーナス制度があるか否かは企業ごとに事情が異なりますが、正社員になることを前提とした雇用形態であるため、ボーナスがもらえる場合は多いといえます。
紹介予定派遣について詳しく知りたい方はこちら。
約3~6カ月間の試用期間中は派遣会社の社員として勤務します。
試用期間が終了したときに、本人と派遣先の意思確認を行い、互いの合意があれば派遣先の企業の正社員もしくは契約社員として直接雇用される流れです。
紹介予定派遣は、正社員として働く前に実際の職場の雰囲気や業務内容を経験できるメリットがあります。
職場が自分に合うか、業務内容が自分のスキルを活かせる分野かを体験してから社員になれるため、業務内容のミスマッチなどで退職する可能性も低いです。
さらに、試用期間中にスキルを身に付けることができるため、未経験の職種に挑戦できるチャンスでもあります。
また、通常の就職活動では中途で採用されることが難しい職場でも、本人の頑張りによっては正社員になれる可能性もあるなど、紹介予定派遣には魅力がたくさんです。
無期雇用派遣
派遣としてボーナスをもらいたい場合、無期雇用派遣という選択肢もあります。
無期雇用派遣とは、派遣会社と無期限の雇用契約を結ぶ働き方です。
無期雇用派遣について詳しく知りたい人はこちら。
派遣会社が紹介する企業に派遣として働くので、働き方は通常の派遣と同じですが、無期限で雇用されるので、給与が安定するというメリットがあります。
給与体系についても、無期雇用派遣ではボーナスがもらえる場合がほとんどです。
派遣会社によって、契約内容が異なりますが、詳しくは各派遣会社のホームページをご覧ください。
一般派遣よりも、派遣会社と強固な関係を結ぶため、派遣会社による給与面や福利厚生が充実します。
無期雇用おすすめ派遣会社はこちら
ボーナス制度のある派遣会社
ボーナスを支給するかしないかは派遣会社が決定権を持っています。
そのため、どうしてもボーナスが欲しいと思うのであれば、ボーナス制度を設けている企業に就職することが不可欠です。
ただし、ボーナス制度があることばかりにとらわれてしまうのは、あまり賢いとはいえません。
たとえば、ボーナス制度があったとしても、基本給が他の企業と比べて安く設定されているケースもないとはいえないからです。
そのため、派遣会社を選ぶ際には、ボーナスだけでなく他のことも含めてトータルで検討していく必要があります。
派遣会社はたくさんあり、紹介している職種や業務内容はさまざまです。多くの派遣会社の中から自分の希望に合う派遣会社を探すことがポイントとなります。
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派遣から給与アップを目指す方法
派遣社員として働く場合、ボーナスはもらえないケースが多いというのが実情です。
しかし、派遣社員として働きながらも現在より収入アップを目指す方法はあります。
正社員を目指す
派遣社員よりも給料やボーナスなども含めて高収入を目指したいのであれば、正社員になることを考えるのも1つの方法です。
正社員であれば、企業の充実した福利厚生を利用することができ、雇用期間も限定されているわけではないため、安定性もあります。
ただし正社員にはデメリットも
ただし、正社員の場合はさまざまな仕事を任される可能性もあるため、必ずしも自分の希望した業務を行えるとは限りません。
また、派遣社員の場合は勤務地や業務内容を決めたうえで仕事を選ぶため、転勤の心配はないです。
しかし、正社員の場合は異動や転勤を命じられる可能性もあります。
このように、正社員は給料の面や安定性では満足感があっても、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方をすることが難しいケースも少なくありません。
仕事を決めるうえで給料は大きな要素ではありますが、自分のライフスタイルに合わせた無理のない働き方を選ぶことも大切なポイントです。
副業をする
勤務先が副業を禁止していない場合は、副業やダブルワークを行うことによって収入を増やすことができます。
収入源が複数になれば、派遣社員として働くときにボーナスがもらえなくても、収入は確実に増えるでしょう。
生活するうえでも余裕が出て貯蓄に回せる金額が増える可能性も高いです。
本業や体調に支障がないよう気を付けましょう
しかし、副業やダブルワークをする際には、あくまで本業に支障が出ないように注意しなければなりません。
また、仕事を1つだけ行っている場合と比べて体力的にも辛くなったりスケジュール管理が難しくなったりしがちです。
健康面や業務を行ううえでのこうした問題点を上手に解決しつつ、無理のない範囲で副業やダブルワークを行っていくことが大切なポイントだといえます。
派遣をしながら副業をしてみたい人はこちらの記事も参考にしてください。
他の派遣会社へ転職する
派遣会社の待遇はどこでも一律同じではなく、それぞれ異なります。
現在登録している派遣会社にはボーナスの制度がなく、他の派遣会社にはボーナスの制度が設けられていることを知った場合は、他の派遣会社に転職するのも1つの方法です。
派遣社員は派遣先の企業の指示で実際の仕事を行いますが、給料の支払いは雇用元である派遣会社が行います。
そのため、派遣元の派遣会社を変えることで、もらえる給料にも差が出てくることは少なくありません。
ボーナスの支給額や支給条件などをチェックして、より待遇の良い派遣会社を選んで登録することにより、収入アップを目指すことが可能になります。
スキルを身に付ける
現在登録している派遣会社を変えずに収入アップを目指したいのであれば、スキルを身に付けることも1つの方法です。
派遣会社ではさまざまな業務を紹介していますが、より専門性の高い仕事やスキルを必要とする仕事ほど、高時給の待遇が提示されていることが少なくありません。
資格取得支援制度などを設けてスキルアップすることを応援してくれる派遣会社もあります。
派遣先で仕事をしながら得たスキルをもとに資格試験に挑戦して合格を手にすることで、より専門的な仕事に就くことができる可能性も広がるでしょう。
収入が増えるだけでなく、仕事をするうえでの充実感もアップすることは間違いありません。
スキルアップ支援が充実している派遣会社はこちら
派遣法改正で派遣社員もボーナス対象に?
2020年の4月に「改正労働派遣法」の施行が始まり、「同一労働同一賃金」が導入されます。
同じ仕事なら同じ対価を
「同一労働同一賃金」とは、文字通り「同じ内容の仕事に対しては同じだけの対価を払う」ということで、正規労働者と非正規労働者の不合理な待遇差を解消するためのものです。
「同一労働同一賃金」には、ボーナス(賞与)も含まれます。
賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。
引用:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン案」
ボーナスを払わない明確な理由がないと問題になる
「同一労働同一賃金ガイドライン案」には、非正規労働者に対して賞与を払わない場合に、問題にならない例と問題になる例が掲載されています。
問題にならない例
問題になる例
「同一労働同一賃金」は、ボーナスだけでなく、退職金や福利厚生、昇給制度なども見直しの対象に入っています。
2020年は、こうした正社員と派遣間の待遇格差が見直される年になりそうです。
派遣社員は、基本給にボーナスが含まれるので、ボーナスをもらうことは絶対にできない。
同一労働同一賃金が導入された際に、問題になるのはどっち?
派遣の賞与を理解したうえで働き方を考えよう!
派遣社員は、多くの場合ボーナスが支給されません。
しかし、必ずしも損をしているわけではなく、スキルを身に付けたり紹介予定派遣として働いたりすることで、収入アップを期待できるでしょう。
派遣社員のボーナスについて理解したうえで、自分に合った働き方を考えましょう。