目次
2025年1月 | 派遣会社 厳選3社
サクッと読める!ポイントまとめ
◆派遣社員に対してもテレワークが推奨されているが、浸透にはまだ時間がかかりそう
◆派遣会社への登録はオンラインが主流になりつつある
◆派遣の仕事を探すのなら、複数の会社に登録し、案件が増えるタイミングを狙うのがおすすめ
ここが知りたい!コロナ禍の今、派遣社員をとりまく状況
2019年12月から始まった、新型コロナウイルスの流行が長期化しています。
コロナ禍は経済に大きな打撃をもたらし、それまで売り手市場が続いていた雇用状況を一変させました。
派遣社員ももちろん例外ではなく、派遣サーチが2020年4月に行った調査でも、月別の派遣求人数が大きく落ち込んでいるという結果が表れました。
しかし、世の中は徐々に「withコロナ」の体制を整え、新たな様式での生活や仕事の在り方を作り上げてきています。
その中で派遣社員の求人状況や働き方はどのように変化しているでしょうか。
今回、派遣会社への聞き取りなどを行い「2020年下半期、派遣社員をとりまく状況」を調査しました。
派遣社員の求人状況
求人数は回復傾向にあるものの、例年の水準には及ばない
まず、「現在、派遣社員の求人はどれくらいあるのか」という点について複数の派遣会社の担当者に質問をしてみると、共通して「2020年4月頃に比べると求人数はだいぶ回復してきています」という回答でした。
一時はストップせざるを得ない状況にあった企業の経済活動が再開し、それにともなって人手が必要になってきています。
ただ、そうはいってもやはり例年ほどの求人数ではなく、逆に、求職している人の数は増えているため、倍率が高くなっているのが現状のようです。
雇用の安定のため国も対策をしている
派遣社員にとって切実な問題の1つが「会社という組織に守られている正社員に比べ、派遣社員は不安定な立場」ということではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(労働者派遣について)|厚生労働省
過去、2008年のリーマンショックの際には、派遣社員が理不尽に雇用を打ち切られる「派遣切り」が社会問題になりました。
コロナ禍でも同様に、派遣社員は解雇されやすいのではないかと心配な人もいるかもしれません。
この点についても確認したところ、就業先の状況による部分が大きく一概には言えないようですが「コロナ禍のあおりを受けた事業縮小に伴う、派遣社員の契約終了」という実態はやはり存在しています。
こういった状況を、国も重く見ています。
厚生労働省から派遣先の事業主に対し「安易な派遣切りはしないように」と要請し、やむを得ず解雇する場合であっても、関連会社での仕事をあっせんするなど努力するよう周知しています。
とはいえ、労働者の側にも、自分で自分の身を守る姿勢は不可欠です。
まずは、派遣切りなどの実態を他人事と思わず、日頃から情報に敏感になっておきましょう。
参考データ
派遣社員でもテレワークはできる?
コロナ禍をきっかけに、オフィスへ出社しての勤務から在宅などで仕事をする「テレワーク」へ、働き方は急激にシフトしました。
派遣労働者のテレワークについて|厚生労働省
もっともこのことは「コロナの影響で未来が早くやってきた」などとも言われるように、もともと世の中が向いている方向であったことは確かであり、コロナ収束後も大きな流れとして元へ戻ることはないでしょう。
派遣社員に対してもテレワークが活用されるよう、国からも働きかけが行われていますが、実際のところ、浸透度合いはどれくらいなのでしょうか。
緊急事態宣言が発令された場合や、居住地域で感染者が増えた時のことなどを考えると、テレワークができるかどうかというのは気になりますよね。
参考データ
この点を複数の派遣会社に質問してみたところ、おおむね「割合として決して高くはない」という返答で、ある担当者からは「体感として、派遣社員へのテレワークを運用している会社は2~3割」という言葉も聞かれました。
業務の性質上テレワークに馴染まなかったり、就業先の会社側にテレワークに必要な機器の用意が整っていないというのが、その理由のようです。
仕事を紹介してもらう際に、その会社がテレワークを行っているかどうかは確認することができますし、会社によっては「初めのうちは出社で、仕事が軌道に乗ってきたら正社員同様にテレワーク」という方針のところもあるので、その点もチェックしながらお仕事を探すことをおすすめします。
なお、2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行となった「同一労働同一賃金」は「同じ業務内容であれば、雇用形態に関わらず待遇に差を設けてはならない」という趣旨の取り組みであり、この「待遇」には給与のみでなく福利厚生や労働環境といった意味も含まれます。
これに即して考えると、もしも<同じ職場で同じ業務を行っている>にも関わらず<正社員はテレワークや時差出勤が認められるのに派遣社員には認められない>ということがあれば、ルールに抵触している可能性もありますので、登録している派遣会社に相談してみましょう。
派遣登録の流れはこう変わってきている
従来、派遣会社に初めて登録をする時は、派遣会社のオフィスを訪問して面談やスキルチェックを行うという流れが一般的でした。
しかし現在は、派遣会社各社でオンライン(web)登録や電話登録が行われ、中には来社を完全になくしている会社もあります。
オンラインで登録する場合、詳細は派遣会社によって異なりますが、大まかな流れは下記のようになっています。
2.オンライン面談の日時を予約
3.予約日時になったら、派遣会社から指定される方法で面談
4.メールや電話などでお仕事紹介
ある派遣会社の担当者に「来社とオンラインのどちらがおすすめですか?」と聞いたところ、「どちらであっても基本的な手続きは同じです。来社であれば、面談をしてその場でお仕事がご紹介できる可能性もありますが コロナ禍で心配な方もいらっしゃると思います。当方としても感染予防のために来社枠を制限しているので、無理をせずご都合の良い方で登録してください」とのことでした。
派遣の仕事を探すのにおすすめのタイミング
派遣会社で仕事を探すとき、仕事自体が初めてだったり離職中だったりで「いつでも働ける」という人もいますが、在職中の人はなかなかそうもいかないでしょう。
働きながらの転職活動は、現在の勤務先を退職する段取りと新しい仕事を探す進捗のすり合わせが難しい部分です。
特に、現在のように求職者が多く倍率が高まっている状況では「退職は決まっても新しい仕事が見つからず、無収入の期間ができてしまうかもしれない」という不安も募りますよね。
このような場合には、求人数が多くなるタイミングを押さえておくと役に立ちそうです。
基本的に、派遣社員の契約は3月、6月、9月、12月末が更新のタイミングとなっているため、それぞれの翌月スタートというタイミングで募集案件が多くなります。
中でも年始の1月、年度替わりの4月スタートは特に求人が増えるので、狙い目と言えるかもしれません。
今、派遣への転職を迷っている人は、まずは派遣会社への登録を行い、案件が増える時期にスムーズに転職活動ができるよう、下準備をしておくというのはいかがでしょうか。
まとめ:複数の派遣会社に登録をしてタイミングをうかがうのがおすすめ
今回は、派遣社員をとりまく最新の状況についてご紹介をしました。
全体として、決して楽観できる状況ではないものの、一時に比べれば求人数が回復していたり、オンライン登録など社会情勢に合わせた体制が整ってきていることは、明るい兆しと言えそうです。
もちろん、仕事を探す人の側も、この時代に見合った立ち回り方を考えることは大切です。
求職者が多く倍率が高くなっている状況ですから、複数の派遣会社に登録して、積極的に仕事情報に当たっていきましょう。
派遣会社ごとに得意とする業種や職種が異なりますので、1つの派遣会社で希望の仕事が見つからなくても他の会社では豊富に見つかることもありますし、各社のフォロー体制を比べることで、より自分に合った働き方が叶うかもしれません。
そして、在職中の転職活動となる人は、案件が増えるタイミングを狙うのがおすすめです。
「この時期から就業開始したい」という旨を派遣会社の担当者に相談すると、心強い味方になってもらえるでしょう。
自分自身の行動を少し工夫するだけでも、希望の仕事に出会える確率はグンと高くなりますので、ぜひ前向きに取り組んでみてください。