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2024年10月 | 派遣会社 厳選3社
派遣社員が利用できる正社員登用とは?
派遣で行われる正社員登用とは、その名の通り、派遣社員から正社員になるために設けられている制度です。
また、この制度は大きく分けて正社員登用制度と紹介予定派遣に分かれます。
別々の制度ですが、どちらも派遣から正社員になるための仕組みという意味では共通しています。
そのため、派遣先の企業が働きやすいなどの理由で正社員を目指すとき、利用される制度となっています。
ただ、この制度はどの派遣先企業でも利用できるというわけではなく、その企業に正社員登用の仕組みそのものがなければ使うことはできません。
派遣から正社員を目指したいと考えるのであれば、派遣社員として応募する段階から、正社員登用の整っている企業を選ぶ必要があります。
なお、一般的には、大企業よりも中小企業のほうが正社員として登用されやすい傾向があります。
同様に、経験やスキルのある人材も正社員に登用されやすいといわれています。
したがって、経験やスキルを身に付けながら、中小企業に正社員として登用されることが一番現実的な方法となるのです。
派遣社員と正社員の違いを再確認しよう!
派遣社員から正社員を目指すなら、両方の違いをしっかりと知っておいたほうが良いでしょう。
派遣社員の特徴
まず、派遣社員は派遣会社に登録し、派遣先の企業を決めてから、派遣会社と契約を結んで派遣会社に雇用される働き方です。
給与は時給で支払われ、雇用期間に期限が設けられているという特徴があります。
雇用主はあくまでも派遣会社であるため、福利厚生や有給なども派遣会社から付与される形です。
基本的には、正社員に比べて自由な働き方ができ、就業先のしがらみにとらわれることが少ない反面、収入や待遇面で不安定なのが派遣社員です。
正社員の特徴
次に正社員とは、企業と直接雇用契約を結ぶ雇用形態です。
また、派遣社員のように期限付きではなく、原則として定年までの雇用となっています。
給料も派遣社員のように時給制ではなく、固定給で安定しています。
同様に、交通費の支払いや福利厚生面でも正社員のほうが待遇が良いといえるでしょう。
その分、仕事の責任は派遣よりも重くなりますが、キャリアアップに最適で安定した雇用が魅力です。
正社員登用制度と紹介予定派遣の違い
派遣社員が正社員に登用されるには、正社員登用制度か紹介予定派遣を利用する必要があります。
ここでは、それぞれの詳細について紹介します。
正社員登用制度について
<1>仕組み
正社員登用制度とは、派遣先の企業がアルバイトや派遣社員に対し、正社員に応募するための制度として設けているものです。
制度といっても法律によって定められているものではなく、あくまでも各企業による自主的な取り組みです。
そのため、試験内容や応募資格に関しては、企業が自由に決めることとなり、オフィス業務か、接客・販売系か、工場業務かなど仕事の種類によっても異なってくるでしょう。
また、場合によっては派遣先企業側からの打診で登用制度に応募というケースもあります。
企業の方から「正社員になってほしい」と望まれるのは、仕事ぶりが評価されている証拠でもあり喜ばしいことですが、その場合には正社員としての採用条件やタイミングなどの事柄をしっかりと確認しておきましょう。
これらの条件を確認しておかないと、後で思わぬトラブルになる恐れもあるからです。
さらに、派遣会社への連絡も当然必要ですが、それは正社員としての採用が、ある程度確実になってからにしたほうが無難といえます。
なぜなら、派遣会社にとって、正社員に登用されるということは、自社の派遣スタッフを1人失うことになり、あまりありがたい話ではありません。
状況が不確実な段階での連絡は、派遣社員自身のキャリアを最優先に考え応援してもらえる場合もありますが、引き留めに遭う可能性も考えられます。
派遣会社には、派遣の仕事に就くために少なからずお世話になっているはずですから、正社員登用が決まればご挨拶を兼ねて、丁寧な連絡を心がけたいものです。
<2>メリット・デメリット
正社員登用制度を利用して派遣社員が正社員になるということは、どのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的にいえることは、派遣先の企業ですでに一定期間仕事をしているので、企業の雰囲気や業務内容を把握してから正社員として働けるということです。
そのため、入社してから自分のイメージと違ったなどのミスマッチを防ぐことができ、長く働くことが可能になります。
これは労働者はもちろん、雇用主にとってもメリットがあります。
なぜなら、社員が自社の社風を気に入って長い期間働いてくれれば、長期的に見て大きな戦力になるからです。
一方、正社員登用制度にはデメリットもあります。
企業が正社員登用制度をうたっていても、希望する全員が正社員になれるわけではありません。
もちろん、正社員登用には社内の条件や試験があるので、それを満たさなければ正社員になれないのは仕方のないことです。
しかしそれ以前の問題として「正社員登用あり」という文句が派遣社員やアルバイトを集めるためのおとりのように使われている場合があるのです。
企業によっては、正社員登用制度で正社員になった実績がまれであったり、極端な例ですが、そもそも正社員に登用する気がないという「嘘」のケースもあります。
こういった実態は、正社員登用制度の内容が各企業に任されているがゆえのデメリットであると言えるでしょう。
<3>登用されるまでの期間
派遣社員の勤続年数は、派遣法によって決められています。
具体的には、派遣社員は3年以上同じ企業の同じ部署で働くことはできません。
派遣先の企業は、同じポジションに3年を超えて派遣社員を雇い続けたいのであれば、別の派遣社員を探すということになります。
したがって、もし派遣先企業が優秀な派遣社員に対し、3年を超えても雇い続けたいと考えた場合、別の雇用形態に変更しなければなりません。
その際、すぐに正社員登用となるケースもありますが、企業によってはその後に別のステップを設けるケースがあります。
たとえば、3年の派遣期間の後に5年間の契約社員としての期間を設けるケースなどで、この場合であれば、派遣期間と契約期間を合わせて、非正規雇用で8年間働くことになります。
すぐに正社員登用しないのは、基本的には、非正規雇用期間を長くすることで、企業側にコスト面でのメリットがあるためと考えられます。
派遣社員の側としては、正社員を目指していながら何年も非正規社員期間が延びるのは不安と感じるかもしれません。
その際には、転職するなど別の方法で正社員を目指す方法も選択肢に上がってくるでしょう。
自分の価値観や現状と照らし合わせ、どちらが自身にとってメリットがあるのかを慎重に検討して選ぶことが大切です。
紹介予定派遣について
<1>仕組み
次に紹介予定派遣について説明します。
紹介予定派遣とは、派遣社員が派遣先の契約期間を満了後に、派遣先や派遣会社双方の了解のもと、派遣先の正社員になる仕組みです。
派遣先の契約期間はいくつかのパターンがありますが、基本的には試用期間として6カ月程度が多くなっています。
紹介予定派遣は、試用期間を終えて双方の合意があれば正社員となることが当初から前提となり、無事に正社員化が成立すれば、派遣会社には派遣先企業から「紹介料」が支払われます。
正社員登用制度とは違い契約期間を満了しているので、派遣社員や派遣会社、派遣先のすべてにメリットのある仕組みといえます。
ただ、場合によっては正社員ではなく、契約社員などとなるパターンもあります。
そのため、事前に「就業条件明示書」を良く確認しておくと安心でしょう。
また、万が一、正社員の給与などに納得できない場合は、派遣社員のほうから断ることもできます。
雇われている側としては、条件面の交渉は立場が弱く感じてしまうかもしれません。
しかし、納得できないまま条件に同意したとしても、働いていくモチベーションを維持するのは難しいかと思われます。
自分の意志ははっきりと伝えることが、結局のところお互いのためとなるでしょう。
<2>メリット・デメリット
紹介予定派遣のメリットは、派遣社員としての採用が入り口となるために、最初から正社員で入社する場合などに比べて、雇用条件や待遇の詳しい情報が手に入るということです。
そのため、自分の希望条件によりマッチした企業で働きやすくなるでしょう。
また、一定の試用期間が設けられているので、その間に就業先企業のことを知ることができ、今後も続けて働くことができるのかを判断しやすくなります。
社風や業務内容が自分に合うなら続けて働いていけば良いということになり、その反対なら正社員になることを辞退すれば良いのです。
一方、正社員の年収のほうが派遣社員よりも安くなる、などの可能性もあるのが紹介予定派遣です。
派遣社員は時給制なので、残業の多い職場では、派遣社員の方が正社員よりも給与が高くなることは珍しくありません。
また、紹介予定派遣で契約しても、必ずしも正社員になれるわけではありません。
場合によっては、準社員や契約社員という扱いになることもあるのです。
これらは紹介予定派遣のデメリットとも言えますが、大切なのはメリットと天秤にかけ、自分にとってどちらが価値があるかをしっかりと考えることです。
プラス面がマイナス面を上回るなら、譲歩するのが得策という場合もあります。
雰囲気に流されて言われるがままになることがないよう、自分の考えをしっかりと持ちましょう。
<3>正社員化までの流れ
紹介予定派遣で正社員に登用されることは、正社員登用制度とはまったく違う流れになります。
最初に紹介予定派遣の案件に応募する段階から、一般的な派遣求人への応募とは異なる手続きが必要です。
通常の派遣であれば、派遣会社内の選考を経て、職場見学や顔合わせという形で派遣先となる企業へ向かいます。
この際、自分で履歴書や職務経歴書を用意することはありません。
派遣先企業では派遣社員を選ぶことはできないことが定められており、履歴書などの提出を要求することは禁じられているのです。
一方で、紹介予定派遣の場合は、いずれその企業の正社員となることが前提であるため、派遣先企業による選考が行われます。
紹介予定派遣に応募することが決まったら、派遣先企業の形式にしたがって、書類選考や面接を受けることになります。
なお面接では、問われることの多い質問として「志望動機」があります。
自分の言葉でしっかりと答えられるようにしておきましょう。
この選考に無事合格すれば、3~6カ月などの一定期間、派遣会社に雇用された状態で派遣先で働くことになります。
そして、契約期間満了時に、派遣会社から派遣先の正社員になるかどうかの打診を受ける流れです。
ただし、紹介予定派遣で働けば必ず正社員になれるというわけではありません。
派遣先の企業と派遣社員の「双方」が正社員になることを希望してはじめて、そのような雇用形態で働くことができるのです。
したがって、たとえ自分が希望しても派遣先企業が望まなければ、正社員になれないことには注意しましょう。
また、企業によっては、派遣期間の後さらに選考が行われることもあるので事前に確認しておくことが必要です。
選考内容としては、再度の面接や独自の試験が行われるケースが多くなっています。
正社員登用には難しさもある!?
いずれ正社員として登用されることに期待して派遣で就業するのは、十分に現実的なプランですが、正社員登用には独特の難しさがあることも事実です。
というのは、仮に派遣先の企業に正社員登用制度があっても、業績が悪化するなどの状況によっては、正社員を採用しなくなる可能性もあるからです。
このような状況の中、確実に正社員に登用されることを目指すなら、採用することで企業にメリットがあるような人材であることが求められます。
たとえば、業務に必要な難易度の高い資格を取得している、業績が上がるようなシステムを開発した、などの特別なスキルや実績です。
このような人材は他者と差別化でき、企業にとっても手放したくない人材となりえます。
そのため、採用数が少なくても正社員登用の対象になりやすいといえるでしょう。
派遣先の企業が、派遣社員を正社員に登用した実績を確認してみることも大切です。
正社員に登用する人数や判断は各企業によってバラバラです。
業績の波もあるので、過去実績があるからといって今後もチャンスが多いと単純に言い切ることはできませんが、それでもやはり、正社員登用に積極的かどうかは推し量ることができるでしょう。
派遣社員から正社員というルートを強く希望するのであれば、仕事探しの段階から派遣会社にもその旨を伝え、正社員への登用実績が豊富な企業を探してみることをおすすめします。
正社員登用が多い職種の例を紹介!
職種によっても、正社員登用が多い少ないといった傾向があります。
正社員登用の多い職種の筆頭として挙げられるのが、販売系やサービス系で、これらの職種では、アルバイトなどの非正規雇用から正社員への登用を促進する動きが活発です。
未経験でも比較的始めやすく、現場でスキルを磨いていける職種なので、正社員登用を目標してこれから仕事を探すのなら、視野に入れてみるのも良いでしょう。
派遣サーチで「正社員登用あり」の仕事を探す
そのほか、不動産関係の事務職も正社員登用を増やす動きのある職種として知られています。
さらに、医療や介護関連の業界は人手不足が深刻なので、スキルの高い人材に対しては、積極的に正社員への登用を行っています。
また、あらゆる業界に共通することですが、正社員登用を目指す上でITスキルは大変重宝されます。
なぜなら、世の中のすべてがIT化され、一見ITとは無関係な業種・職種であっても、どこかで関わっていることが非常に多いからです。
そのため、目指す業界に関わらず、基礎的な部分のスキルは身に着けておいて損はありません。
もちろん、最優先はその職種に関するスキルや経験を積むことですが、プラスアルファの部分でITスキルを持っていれば、正社員登用を目指す際に大きなアピールポイントになると考えられます。
世の中の動きを踏まえて正社員への道を考えよう
正社員を目指すなら、世の中の状況を踏まえて方法を考える必要があります。
まず、ここ数年の雇用状況として、大手企業は人手不足への対策として正社員雇用を促進する動きがあります。
非正規雇者を正社員化した場合に国から企業に支払われる「キャリアアップ助成金」の制度も、その後押しをしています。
そして、非正規雇用で就職した人の半分程度が正社員になるというデータもあり、年代別で見ると正社員雇用されたのは、20代が圧倒的に多くなっています。
これらの現状から、正社員を目指す場合、なるべく早いうちに正社員を募集している企業へ応募するべきとも考えられます。
一般的に年齢が上がれば上がるほど正社員登用のハードルは高くなっていくので、有利な条件のうちに正社員を目指すのです。
これは、最初から正社員募集に応募する場合でも、派遣社員から正社員登用を目指す場合でも基本的には同様です。
ただし、まず派遣社員からという方法であれば、派遣先企業にとっては派遣としての就業中に、その派遣社員のスキルや勤務態度などを見極める期間が持てることになります。
その中で派遣先企業から高い評価を受ければ、年齢はそれほど問題にならない可能性もあり、派遣から正社員を目指す場合に有利といえる点です。
そして、各企業と自分自身の相性の問題もあるので、一つの企業にこだわりすぎないほうが良いでしょう。
視野を広くしていろいろな企業を見ていけば、その分、可能性も広がります。
機会を捉えて派遣の正社員登用にチャレンジしよう!
一言で派遣社員といってもその働き方はさまざまであり、人によって価値観や目的とするものも違うでしょう。
そのような中、「いずれ正社員になる」ということに価値を置き、派遣から正社員を目指すなら、正社員登用制度か、紹介予定派遣を利用することになります。
どちらの場合でも、応募する企業を選ぶ段階からそれなりの行動が必要になるため、中長期的な視点を持ち、自分の軸をぶらさないことが大切です。
そして実際に正社員登用のチャンスがめぐってきたら、条件面などをしっかり確認した上で、積極的に挑戦しましょう。
100%正社員登用されるとは限りませんが、目標を達成するために取り組む姿勢は必ず自分自身の成長につながり、今後のキャリアアップの糧となります。