目次
2024年12月 | 派遣会社 厳選3社
1. 有期雇用派遣と無期雇用派遣の違いは?
まずは、有期雇用派遣と無期雇用派遣の違いを紹介していきます。業務内容が大きく変わるわけではないものの、契約内容には明確な違いがあります。
有期雇用派遣の特徴
派遣会社に登録した後、実際に派遣先を紹介されてから、雇用契約を結ぶのが有期雇用派遣です。そして、一般的に「派遣社員」と口にするときは、有期雇用派遣を指しているケースが大半でしょう。有期雇用の派遣社員は、派遣先で約3カ月経てば更新時期が訪れます。もしも、同じ職場で働き続けたいのであれば、契約を更新して留まることが可能で、反対に環境を変えたいのであれば契約を更新せず、雇用関係を満了します。なお、有期雇用派遣は多くの場合、登録型派遣を意味しており、派遣先が定まってから派遣会社と雇用契約という順番です。
無期雇用派遣の特徴
派遣会社と雇用関係を結んだうえで、派遣先が見つかっていない待機期間でも給料をもらえる形態が無期雇用派遣です。ただし、自分の都合で待機期間を延ばすことは原則的に認められていません。ひとつの派遣先で雇用期間が満了すると、すぐに次の派遣先が紹介されます。無期雇用派遣は、常用型派遣と同義であると考えていいでしょう。
2. 有期雇用派遣と無期雇用派遣のメリット・デメリット
どのような雇用形態が向いているのかは、人それぞれです。自分のライフスタイルなどを振り返りながら、派遣会社と契約を結びましょう。以下、有期雇用派遣と無期雇用派遣のメリットとデメリットを挙げていきます。
有期雇用派遣のメリットやデメリットにはどんなものがある?
個人の要望が通りやすいのは有期雇用派遣の特徴です。ただし、不便な面もゼロではないので、有期雇用派遣のメリットとデメリットを両方理解しておきましょう。
有期雇用派遣のメリットについて
最大のメリットは「希望に合わせてもらいやすい」という点でしょう。有期雇用派遣では、自分の要望を伝えることができます。そして、なるべく理想に近い職種を紹介してもらえます。また、勤務地の融通がききやすいので、生活環境を大きく変える必要がありません。また、待機期間を長くとれるのも有期雇用派遣ならではの特徴で、ひとつの契約が終わってから、次の契約に移るまでの期間を自由に調整できます。長期間、派遣の仕事に就かない状態も許されるため、待機時間を旅行や趣味の時間にあててプライベートを充実させることも可能です。
さらに、有期雇用派遣の現場では時給制が数多く採用されており、無期雇用と比べると残業は少ないといえます。もしも残業が発生したとしても、しっかりと残業代を支払ってもらえるでしょう。総合的に、有期雇用派遣は職種や勤務地について自由に希望を伝えやすい働き方です。派遣先に対して、明確なイメージがあるなら有期雇用派遣を選んでみましょう。契約期間を短くしたかったり、どうしてもやりたくなかったりする作業があったりするときも、有期雇用派遣なら上手に調整できます。
有期雇用派遣のデメリットについて
派遣先を探す手間がかかるのは有期雇用派遣のデメリットだといえます。有期雇用派遣では3カ月ほどで派遣先での契約更新を迫られます。もしも更新が行われなかった場合、新しく派遣先を探す必要が出てくるでしょう。なかなか次の派遣先が決まらないと待機時間が長くなり、収入に響きます。原則として、有期雇用派遣では待機期間に給料は払われません。そのため、生活が不安定になることもありえるのです。
そして、時給制ゆえのデメリットも生まれます。時給制だと、残業代を払うことを嫌って派遣先は時間通りに派遣社員を帰そうとしますが、派遣社員からすれば残業代が出るからこそより多く稼げる側面もあるのです。つまり、残業できないことは派遣社員として不利な面だともいえます。そのほか、給料に関するデメリットは少なくありません。有期雇用派遣は賞与がないので、時給が安いとなかなか生活レベルを上げるのは難しくなります。それに、交通費が支給されない現場では、自分で負担をしなくてはいけません。交通費の分だけ給料が減ってしまうので、遠方から通っている派遣社員はとても不便です。
無期雇用派遣のメリット・デメリットにはどんなものがある?
給料に関しては、無期雇用派遣のメリットは多いといえるでしょう。一方で、デメリットにも目を向けながら働き方を考えていく必要があります。
無期雇用派遣のメリットについて
派遣会社と雇用契約にある無期雇用派遣では、月給制が採用されています。つまり、派遣先での仕事をしていない待機期間であっても、派遣会社から給料が支払われ続けます。収入面が安定するのは大きなメリットだといえるでしょう。また、無期雇用派遣は派遣社員の負担もそれほどなく、交通費支給の職場が多いうえ、賞与も支給されるケースが大半です。しかも働きぶりによっては昇給の可能性もあり、正社員とほとんど変わらない待遇で働いている無期雇用の派遣社員もいます。
さらに、無期雇用派遣には期限の定めがありません。契約段階で雇用期間が特に指定されていないので、規律違反などの特殊な事例を除いて、同じ仕事を続けられます。長期的な収入源を求めている人にとってはぴったりの雇用形態だといえるでしょう。そのほか、キャリア形成支援制度があるのも魅力です。職場で役立つスキルや知識を身につけるためのサポートを受けられます。その結果、キャリアアップのための能力アップ、昇進や昇給に弾みをつけられるなど、仕事に対して高いモチベーションのある派遣社員に無期雇用は向いているでしょう。
無期雇用派遣のデメリットについて
なかなか長期的な休みがとれないのは、無期雇用派遣のデメリットでしょう。なぜなら、無期雇用派遣はひとつの派遣先との契約が終わったとしても、すぐに次の派遣先を紹介されるからです。無期雇用派遣では待機期間にも給料が発生しているので、何もしてない状態は派遣会社から歓迎されません。その結果、まとまった休みが遠のいていきます。次に、派遣先の要望が通りにくいのもデメリットのひとつでしょう。無期雇用派遣では、早く派遣先で仕事をすることを求められます。そのため、職種の希望が必ずしも反映されません。ときには、苦手分野の仕事でも引き受けなければいけなくなります。
働き方に無理が生じる可能性も念頭に置きましょう。派遣会社や派遣先の都合に振り回されやすいのが無期雇用派遣です。わずかなスパンで複数の派遣先を転々とさせられる場所もあるでしょう。こうしたケースでは、一カ所に留まれないのでストレスがたまり、さらに将来に役立つスキルも定着しにくくなります。派遣会社が親身になってくれないと厳しいスケジュールがまかり通ってしまうので、派遣会社の信頼性は、無期雇用派遣を選ぶうえでのポイントになるでしょう。
3. 有期雇用派遣や無期雇用派遣で働く方法
それぞれの特徴を知ったら、有期雇用派遣か無期雇用派遣のどちらで働くのかを決めていきましょう。登録方法や仕事の紹介方法にも違いがあるので注意が必要です。
有期雇用派遣で働くには?
派遣登録を行うことで、有期雇用派遣での仕事を紹介してもらえるようになります。なお、正社員と違って派遣社員には選考がありません。登録手続きさえ完了すれば、誰もが派遣会社との間に契約を成立させられます。派遣会社のホームページにアクセスして登録画面へと進みましょう。まずは、個人情報のほか職歴や希望職種などを入力していきます。入力必須項目は派遣会社によって異なります。ただし、入力内容で紹介される仕事は左右されるので、要望があれば忘れずに記載しましょう。
入力が終わっても登録が完了したわけではありません。それから派遣会社の主催する登録会に出席する必要があります。登録会では仕事の種類や規約、給料体系などの説明を受けます。登録会の日時として複数の候補が送られてくるので、自分の予定に合わせて申し込みましょう。登録会に出席して派遣社員専用のシステムを案内された時点でようやく登録は完了となり、その後、派遣会社の担当者がついて仕事の紹介を受けられるようになります。仕事内容や給料について合意できたなら、仕事を開始できます。シフトを送って指定された職場に向かいましょう。
無期雇用派遣で働くには?
有期雇用派遣と違い、無期雇用派遣は特別な募集を探さなくてはいけません。普通の段取りで派遣会社に登録すれば、ほぼ自動的に有期雇用派遣とみなされてしまいます。無期雇用派遣を希望するなら、派遣会社をリサーチする段階から注意しましょう。
募集を見つけて応募する
もしも無期雇用派遣を望むなら、派遣の募集要項をよく見てみましょう。何も特別な記載がない場合、派遣会社は有期雇用だけを募集している可能性が少なくありません。そのため、有期雇用と無期雇用の両方を募集している派遣会社を探すことが重要です。募集要項に「無期雇用派遣も求めている」とある会社に応募をしましょう。
次に、書類選考や面接へと進んでいきます。無期雇用は派遣会社と長期的な関係を築くうえ、月給も支給される仕組みです。そのため、派遣会社はすべての応募者を採用しているわけではありません。選考過程を経て、条件が合った人間だけが無期雇用を結べるようになっています。派遣会社の求めている人物像を調べておくと、採用担当者から評価されやすくなるでしょう。
なお、派遣会社を探すときには職種を絞り込むことも大切です。無期雇用派遣でも職種はさまざまで、事務職や販売職、営業職など多種多様な仕事が用意されています。自分のスキルに合った職種を募集している派遣会社を選べば、登録後のミスマッチを防げます。気の進まない現場を紹介されるような事態が減り、ストレスなく働けるでしょう。
有期雇用派遣から転換する
無期雇用派遣にこだわり続けていると、なかなか派遣会社の登録が進まないということもあります。あまりにも登録までの期間が長引くと、生活が苦しくなる人もいるでしょう。そこで、まずは、有期雇用派遣に登録してしまうのもひとつの方法で、有期雇用派遣で働いていると要件を満たし無期雇用派遣へと切り替えられることがあるからです。ちなみに無期雇用への転換は、更新のタイミングに合わせればいつでも可能です。
切り替え条件としてはまず、「合計5年以上の契約」です。有期雇用契約として、合わせて5年以上働かなくてはなりません。次に、「契約更新の履歴」も重要です。過去、少なくとも一度は契約を更新しておく必要があります。そして、「派遣元との契約が終わっていない」ことも大前提です。5年以上契約を続けているだけでなく、切り替えを希望する時点でも契約が成立していなければいけません。もしも、5年間契約関係にあった派遣会社があったとしても、切り替えを希望する前に契約を打ち切っていたのでは認められなくなってしまいます。契約更新の際は、無期雇用への転換も意識しながら判断していきましょう。
4. 有期雇用派遣や無期雇用派遣で働く時の注意点
派遣会社で働く際には、有期雇用や無期雇用に関わらず注意点があります。そもそも、派遣会社は派遣先との調整を引き受け、派遣社員にとっての健全な労働環境を守ってくれる存在です。派遣会社選びで、派遣社員の将来は左右されるといってもいいでしょう。たとえば、派遣社員に寄り添ってくれる派遣会社であることは大前提です。単に、派遣先を紹介するだけの会社は、自分たちの利益を優先するあまり派遣社員の適性までは考慮していません。派遣社員の経歴やスキルを踏まえたうえで派遣先を選んでくれるような会社なら信用に値します。
特に、無期雇用派遣では派遣会社と長い付き合いをしていくことになります。それに、無期雇用では派遣社員から派遣先について細かい要望を出しにくい側面もあるでしょう。派遣会社がどれだけ派遣社員に対し、親身な態度を取ってくれるかで働きやすさは変わります。そして、派遣会社の規模や面談のスタイルはそれぞれです。他人から評判のいい派遣会社でも、自分に合っていないことも少なくありません。多くの派遣会社を比較検討したうえで、トラブルなく働けそうな会社かどうか見極めましょう。
自分に合った派遣の仕事を選ぼう
有期雇用派遣と無期雇用派遣の違いはさまざまです。いずれが上というわけではなく、大切なのは登録する本人の資質や希望に合っているかどうかです。信頼できる派遣会社と契約を結べば、いずれの働き方でも安心して毎日を過ごせるでしょう。