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2024年12月 | 派遣会社 厳選3社
シニア派遣が増加している理由
シニアの派遣が増加している背景には、いわゆる少子高齢化で労働人口が減少している点があります。
しかし、一般的な会社員などでは定年退職があり、働く意欲があっても退職を余儀なくされることが多いのが現状です。
派遣であれば年齢に関係なく働けるなどのメリットがあるので、シニア派遣は増加傾向にあるのです。
年齢に関係なく働ける場所も多くある
シニア派遣として、会社をリタイアした人も働く機会が増えてきています。
コンビニやファーストフード店などで働くシニア世代を、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
日本では少子高齢化の影響によって労働人口が減少しており、さまざまな職種や業種で人手不足の状況となっています。
一方で、シニア世代が定年後に働ける場所は増えており、派遣社員としての働き方が広がりを見せています。
シニア派遣ではこれまでのキャリアを生かした働き方ができるほか、まったく未経験の職種であっても長期間の就業が見込めるものも出てきました。
選択肢が広がったため年齢も働く場所も制限を受けづらくなっており、活躍するシニアが増えてきているのです。
未経験でも可能な仕事が多い
未経験でもできる仕事として、多くのシニア世代向け案件で人気なのが、軽作業や一般事務、コールセンターなどです。
軽作業はほかの仕事と比べると時給は低いものの、年齢を問わずニーズが高いのが特徴です。
業務内容としては、郵便物の仕分け作業や工場内での軽作業、倉庫でのピッキングや梱包・シール貼り、庶務業務などが挙げられます。
体への負担が比較的少ないため、シニア世代でも十分に働くことができる職種です。
もちろん、シニア女性で活躍している人も多くいます。
一般事務の仕事では、数あるなかでもデータ入力の作業案件が、シニア世代への供給が多いでしょう。
データ入力とは、定められたフォーマットにしたがって数字や文字を打ち込む単純作業であり、未経験者でも行いやすいのが特徴です。
また、コールセンターでの仕事は電話応対がメインであるため、基本的に年齢はあまり関係ありません。
マニュアルに基づいて業務を進めるため、こちらも未経験であっても働ける仕事となっています。
年齢を積み重ねていることから経験豊富であり、臨機応変に対応できるシニア世代の採用に積極的な派遣会社もあるほどです。
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派遣社員としてシニア層が働くメリット
定年を迎えたシニア世代は派遣社員として意外にもアルバイトやパートと言った直接雇用の働き方も存在します。
その中で派遣社員という働き方を選ぶメリットがこちらです。
派遣社員に定年はない
シニア層が派遣社員として働くことのメリットに、派遣社員は定年といった概念がないことが挙げられるでしょう。
労働意欲があれば働きたいだけ働くことが可能なため、さまざまな理由でリタイア後も派遣の仕事に就く人がいます。
嘱託の場合は65才を定年にしている職場が多いです。
ただし、派遣社員に定年はないとはいえ、業務に耐えうる健康な心身を維持する必要はあります。
働き方の多様性
たとえば、年金以外のまとまった収入を確保する目的で、派遣社員として働くシニア世代も増えています。
また、お金のためではなく、働くことで社会との接点を持ちたいと考えている人もいるでしょうし、なかには生きがいを仕事に見出している人もいるはずです。
このように、高齢者とそのニーズに沿って仕事を紹介する派遣会社とは、双方にウィンウィンの関係なのです。
就業支援が受けられる
さらに、派遣会社に登録をしているだけでも就業支援を受けられる場合があり、こちらも大きなメリットとなっています。
活用次第で、たとえば基本的なパソコンの使い方を習得して仕事の幅を広げていくことも可能です。
短期の労働も可能
60歳以上のシニア世代は、日雇い派遣の例外が適用されるため、31日未満の仕事でも派遣社員として働くことができます。
つまり、長期派遣だけに限らず、日雇い派遣としても働けるので、シニア派遣になるメリットは大きいといえます。
アルバイトの場合はどうしても定期的な出勤が求められやすいです。
長期間働きたいわけではないという人に向いています。
未経験の仕事でも直接雇用よりも時給は高め
地域にもよりますが、シニア層の求人が多い未経験者でもできる軽作業やデスクワークに時給はそれほど高くありません。
しかし、同じ内容の仕事ならば、アルバイトなど、直接雇用で働くよりは時給が高い傾向があります。
アルバイトの場合は地域の最低時給であっても、派遣ならば1,000円以上の場合も多いです。
もちろん経験を生かした業務ならばこの限りではありません。
シニア派遣として働くことのデメリット
シニア派遣を利用する際に気をつけなければならないことを紹介します。
シニア派遣に強い派遣会社は限られている
一方、デメリットとしては、シニア派遣の求人数はそれなりにあるものの、取り扱っている派遣会社の数は限られている点が指摘できます。
中小規模の派遣会社では、年齢を理由に登録を断られてしまう場合もあるので注意が必要です。
東京や大阪、名古屋などの大都市ではないと派遣会社選びに苦労する場合もあります。
未経験の仕事で苦労することも
また、キャリアを生かして仕事をする場合と比べ、未経験の職種で働くと時給が低くなる傾向にあることもデメリットでしょう。
さらに、未経験だと年齢が若い社員がシニア世代の教育係となることもあるため、相手によっては敬遠することも珍しくありません。
今までのキャリアに誇りを持っている場合、「この年になって、誰でもできるような仕事を安く任されるなんて……」とプライドが傷つく場合もあるかもしれませんが、ネガティブにとらえすぎないようにしましょう。
誰でも出来る仕事でお金がもらえるのは素晴らしいことです。
単純に見える仕事でもやってみたら意外と面白かったり性に合っていたりすることもあります。
新しい出会いを楽しんでください。
若い人と同じ仕事を任される場合もある
派遣される職場や仕事内容によっては、社員やほかの派遣社員が若い人ばかりということもあるため、自分の子どもと同じ世代の人と働かなければならないことも、人によってはデメリットに感じられるかもしれません。
若い人と一緒に働くと体力的な面で辛かったり物覚えの悪さに劣等感を抱いたりする場合もあるでしょう。
しかし、普段はあまり話さない年代の人と対等な立場で話すのは新鮮なものですよ。
張り合おうとするのではなく、年の功を生かした良い関係を気付いてください。
仕事を探すときに押さえておきたい3つのポイント
シニア派遣の仕事を探すときには、3つの押さえておくべきポイントがあるので確認しておきましょう。
大手とシニア専門の両方の派遣会社に登録する
派遣の仕事を探す際には、基本的に複数の派遣会社に登録するほうが仕事を紹介してもらいやすいので覚えておくと便利です。
シニア派遣の案件を紹介してもらうためには、派遣会社に登録を行う必要があります。
前述のように、中小の派遣会社だとシニア向けの案件が少ないこともあり、思うように仕事を得られないかもしれません。
そのため、複数登録するうちの少なくともひとつは大手に登録しておくことがポイントとなります。
また、派遣会社のなかには、シニア派遣に特化した会社もあります。
積極的にそういった会社にも登録することが大切で、シニアを専門で扱っている派遣会社であれば、シニア世代とのやり取りに慣れているのでストレスを感じにくいでしょう。
年齢を理由としたトラブルを避けやすいので、メリットがあるといえます。
ただ、シニア派遣を専門に扱う派遣会社は事業規模が小さいところも多いので注意が必要です。
このため、大手派遣会社とシニア派遣専門の会社へは同時に登録しておくほうが案件を紹介してもらいやすくなります。
キャリアを生かした仕事選びを心がける
シニア世代の強みは、現役時代のキャリアを生かせる点です。
そのため、仕事選びが必然的に大事な要素となります。
シニア世代で一定のキャリアがある場合には、技術職や事務職、営業職などの案件を紹介してもらえるでしょう。
専門性やキャリアが生かせる案件であれば、未経験のものよりも高い時給を見込めます。
また、マンション管理スタッフなどのように、シニア限定で募集を行っている案件もあります。
年齢がむしろプラスに働くこともあるのです。
なかでもメイテックグループでは45歳以上のハイキャリア人材を得意としています。機械設計や技術者、ソフト開発などのエンジニアに強いです。
40代以上だとなかなか難しい時給2,000円以上の求人や紹介予定派遣の求人も豊富にあります。
シニア限定とシニア歓迎の違い
案件のなかには、「シニア限定」と「シニア歓迎」と書かれたものがあります。
両者は似ていますが、意味が異なるので注意が必要です。
派遣では、シニア世代に限定して案件を紹介しているケースが基本的には少ないです。
一般的にシニア歓迎といった名目で募集がかけられているものは、全年齢を対象に人を募っているものの、シニア世代の応募も歓迎するという意味です。
つまり、老若男女問わず募集するため、必然的に競争率が高くなる傾向があります。
一方、シニア限定の求人案件では競争率が低くなることが珍しくありません。
そのため、応募条件と合致しているときは、シニア限定のほうを優先的に応募してみると良いでしょう。
ただし、シニア歓迎の案件だと年齢が不利に働くかといえばそうではなく、過去にもシニア世代を雇用している会社からの募集であるため、安心して働ける環境が整えられている可能性が高いです。
いずれにせよ、シニア世代に関する情報が書かれている案件は、シニアにとって働きやすいものだといえます。
シニア派遣で意識すべき4つ注意点
シニア派遣では、意識すべき注意点もあるので押さえておきましょう。
ここでは、重要なポイント4つを解説していきます。
給与は派遣会社から支払われる
派遣システムでは、派遣先の会社ではなく、派遣会社から給与が支払われます。
そのため、給与に関するやり取りは登録している派遣会社と行う必要があります。
派遣の場合、時給制で給与計算されることが一般的です。
業務内容や経験によって異なるものの、1時間あたりおよそ1000~2000円が相場となっています。
なお、正社員とは違い、賞与は支給されないケースが多いので注意しましょう。
退職金もありません。
注意すべきは交通費で、原則として支給されず自己負担となります。
派遣社員として働く場合には、給与から交通費を支払うことを前提として給与計算を行う必要があります。
自宅から遠いにもかかわらず、1〜2時間程度しか働けないような案件なら、応募を見送ったほうが無難なケースもあるでしょう。
ただし、最近は交通費の支給がある派遣の求人もあるので求人情報をよくチェックしたり担当スタッフに相談したりしてみるのもおすすめです。
フルタイム勤務であれば社会保険は派遣会社が手配する
フルタイム勤務として働く場合には、労働形態が派遣であったとしても、社会保険や雇用保険に加入できます。
加入手続きや社会保険の手配は派遣会社が行うので、特に派遣労働者側で何かをする必要はありません。
ただし、社会保険に加入した際には、社会保険料が給与から差し引かれるため、手取りが少なく感じられる場合があります。
ライフプランなどにあわせて、扶養の範囲内で働くなど勤務日数や勤務時間を調整していく必要が出てくるケースもあるので、計画性を持つことが重要となります。
在職老齢年金の規定に注意する
シニア世代が厚生年金に加入する場合、在職老齢年金の規定にも注意しなければなりません。
60歳以上のシニア世代が派遣社員として働く場合には、厚生年金に加入していると在職老齢年金制度の適用を受ける可能性があります。
在職老齢年金とは、厚生年金の加入と年金(在職老齢年金)の受給を同時に行なっているケースのことです。
この場合、年金額の一部、あるいは全額の支給が停止されてしまいます。
在職老齢年金制度では、年金額と月収の合計が47万円を超えると年金額が下がるとされています。
在職老齢年金の適用によって年金の受給額にどのような影響が出るのかは、在住の社会保険事務所の年金相談窓口に問いあわせて確認する必要があるでしょう。
年金額に大きな影響が出るようなら、案件を厳選するなど調整が重要となります。
雇用は数カ月ごとに見直し、最長3年
長期派遣の場合、3ヶ月ごとくらいに契約の更新を繰り返します。
派遣社員がもっと働きたいと思っていても、就業先が更新をしないと決定した場合、契約は終了です。
そして、同じ就業先で働けるのは最長3年と決まっています。
シニア派遣の場合、定年はないとはいっても3年以上働くことは難しいと理解してください。
ただし、契約終了後もまた次の仕事を探すことはできます。
派遣会社を選ぶときのポイント
シニア派遣で働くことを考える際には、どこに登録するかという派遣会社の見極めが重要となります。
ここでは、2つのポイントに的を絞り解説していきます。
派遣会社にもさまざまなタイプがある
日本には、2017年時点で6万2408カ所の派遣会社があります。
これは世界的に見てもかなり多い数であり、別の言い方をすると、さまざまなタイプの派遣会社があるということになるでしょう。
あるいは、市場が開拓されており、ユーザーの細かなニーズに対応している派遣会社も多いことを意味します。
派遣会社の種類を大きく分けると、大手派遣会社・独立系派遣会社・資本系派遣会社・職種特化型派遣会社などのタイプとなります。
大手派遣会社では、一般的に福利厚生の制度が整っており、健康診断を無料で受けられたり職種別の研修に参加できたりするため、正社員に似ている点が多いでしょう。
また、大手の場合は求人募集がたくさんあるため、未経験の職種も探すことができ、仕事の選択肢を広げられるメリットがあります。
派遣へのノウハウが蓄積されていることから、はじめて派遣で働く場合にも安心できる可能性が高いです。
数ある派遣会社の多くは独立系であり、幅広い職種を取り扱っているのが特徴です。
大手派遣会社との差別化を図るために、派遣スタッフに対してきめ細かいアフターフォローを行っているところもあるので、大手以外でも安心して働けるところはたくさんあります。
アフターフォローや研修制度が充実している派遣会社を選ぶ
派遣会社選びでは、アフターフォローや研修制度がしっかりとしているところを見極める必要があります。
資本系派遣会社は、大手企業や銀行などが独自に持っている派遣会社で、関連会社の案件がメインとなっているのが特徴です。
このため、一般的にアフターフォローや研修制度が整っており、仕事をスムーズに行えるよう考えられています。
また、名だたる会社で働ける可能性があるので、仕事を生きがいにしたいといった場合にも登録するメリットがあるでしょう。
職種特化型は、専門性が高い分野への派遣を得意としている派遣会社です。
医療や金融などのほか、コールセンター業務もこちらに含まれることがあります。
こちらもキャリアアップのための研修制度が充実しており、すでに積んだキャリアを生かすほか、何か新しいことをはじめたい場合などにも向いています。
ミドルシニア世代とシニア世代の違い
「シニア」を実際に何歳以上なのかは決まっていません。
しかし、派遣業界や転職業界ではだいたい60歳以上、定年を迎えた層をシニア世代と呼ぶ場合が多いです。
それに対して、40代、50代の現役世代を「ミドルシニア」と呼ぶ場合があります。
ミドルシニアが派遣で働く場合、シニア派遣とどのようなことが共通していて、どのような部分が違うのかをチェックしましょう。
派遣社員として働くミドルシニア層も様々なタイプがあります。
セミリタイアをして派遣で自由な働き方をしたいと考えている人もいれば、これまでのキャリアを生かしてステップアップしたいと考えている人もいますし、定年まで勤め続ける予定だったけれど、業績悪化など何らかの事情で難しくなってしまったという人も少なくありません。
ずっと務めていた企業を辞めて派遣社員として働き始めると、退職金が少なくなってしまう場合があるので注意してください。
一方で、まだこの年代は在職老齢年金については関係がありません。
ミドルシニア派遣向けの求人はシニア派遣よりもさらに豊富です。
管理職の求人や直接雇用を前提とした紹介予定派遣もあります。
しかし、前職よりも収入をアップさせられるような求人は一握りとなっています。
シニア派遣でなかなか仕事が決まらないときは
シニア派遣は登録したとしてもすぐに仕事が決まらない場合があります。
そのような時は1人で悩まず、派遣会社の担当スタッフに相談をしてみましょう。
意外なところが落とし穴になっている場合もあります。
業務が軽作業なのに、これまでのキャリアを詳細にアピールし過ぎていると「プライドが高くて扱いにくそう」と敬遠されてしまいやすいかもしれません。
逆に自分では「わざわざアピールするほどでもない程度」と思っていたスキルが高く評価される場合もあります。
シニア派遣を活用して快適な生活を送ろう!
人手不足が叫ばれるなかで、シニアの力を活用する動きは高まっています。
また、定年後も働ける環境が整ってきており、派遣社員として働くのもひとつの選択肢だといえるでしょう。
派遣には幅広い職種があり、新しいことに挑戦したり今までのキャリアを生かしたりと、さまざまな活用方法があります。
シニア派遣の特徴を押さえたうえで、自分にあった働き方をぜひ見つけていきましょう。