派遣社員の福利厚生とはどんなもの?働き方改革の影響も含めて知りたい!

派遣社員に興味がある人のなかには、福利厚生において正社員と比べると不利なのではないかと不安になる人もいるのではないでしょうか。福利厚生には社会保険や各種手当など、安心して生活を送るために欠かせない内容も含まれます。そのため、福利厚生は仕事や派遣会社を選ぶ判断材料として重視されやすいものです。そこで、派遣社員の福利厚生の仕組みや働き方改革による影響など、派遣で働くうえで役立つ情報を解説します。

1.福利厚生とは?

福利厚生の「福利」は「幸福・利益」、「厚生」は「健康で豊かな生活」という意味があります。一般的に、福利厚生とは企業が従業員へ支給する「給料以外の報酬」を指すので、福利厚生がしっかりしていれば、結果的に額面以上の給料があるようなものとなるのです。福利厚生の種類は2つあり、法律が定める「法定福利厚生」と、企業が独自に設ける「法定外福利厚生」に大別されます。法定福利厚生の代表的なものに、「社会保険」や「有給休暇」などの労働基準法などに則ったものがあります。また、法定外福利厚生には「定期健康診断」や保養所などの「施設」、レジャーなどの「優待サービス」といった、個々の企業によって独自のものがあるのが特徴です。

福利厚生自体は戦後から存在するもので、決して新しい制度というわけではありません。しかし、その意義は時代とともに変化し続けています。たとえば、労働力不足が深刻な問題となってくると従業員の満足度を高めて採用率や定着率を安定させることを目的に、特に法定外福利厚生を充実させる傾向が強いです。また、サービス残業や長時間労働などが国際的にも問題視されていることから、国を挙げて法定福利厚生をしっかりと根づかせようとする動きもあります。

2.福利厚生は派遣会社によって異なる

法定外福利厚生が会社独自のものであることからわかるように、福利厚生は派遣会社によって種類も充実度も異なります。派遣社員が雇用契約を結ぶのは、派遣先企業ではなく派遣会社です。そのため、基本的に派遣社員への福利厚生を提供する側も派遣会社になります。前述したように、社会保険や有給休暇といった法定福利厚生は、法律で決められています。このため、ある一定の条件を満たせば、雇用されている労働者ならば誰でも受けられるものです。ただし、法定外福利厚生の有無や内容は、派遣会社次第といえます。

その理由は、「どのような福利厚生サービスを用意すれば、派遣社員に長く働いてもらえるか」という視点で派遣会社は福利厚生を整えているので、会社の考え方によって力を入れるポイントが変わるからです。これは、企業に直接勤める正社員の場合も同じで、法定外福利厚生の内容や充実度は、勤める企業ごとに差が出ます。福利厚生が充実している会社であれば、それだけ働く人のモチベーションが高まるでしょう。したがって、企業によっては力を入れているところも多くあります。

3.派遣社員が派遣会社から受けられる主な福利厚生の種類

派遣会社は、各々の判断で福利厚生を提供しています。ここでは、代表的な6つの福利厚生サービスを紹介するので、派遣会社を選択する際の参考にしていきましょう。

社会保険

「社会保険」は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険が主なものとなっています。こちらは法定福利厚生に含まれるので、派遣か正社員にかかわらず、一定の条件を満たしていれば誰でも受けられるものです。社会保険のなかで加入条件がないのは労災保険のみで、その他の社会保険については、1週間の労働時間や契約期間、1カ月の賃金などに細かい規定があります。派遣社員としてフルタイムで一定期間(2カ月を超えるのが基準)勤務する予定であれば、すべての社会保険に問題なく加入できます。社会保険に加入していると、年金の掛け金が国民年金よりも大きくなるので、老後に対する安心感を得られるでしょう。

年次有給休暇

「年次有給休暇」は、労働基準法で定められた賃金が発生する休日のことで、有給と略されて使われることが多いものです。年次有給休暇も法定福利厚生の一種なので、労働期間などの条件を満たせば派遣社員も取得することが可能です。具体的には、就業開始から6カ月が経過した時点で、勤務日数に応じた年次有給休暇が与えられます。また、その後は1年ごとに付与されるので、長期間働いてさえいれば、多くの人にもらえる権利が発生します。

ただし、有給休暇を利用する方法は、派遣会社によって異なるので注意が必要です。派遣社員の場合は、派遣会社だけではなく派遣先企業の事情も考慮する必要があるため、派遣先が繁忙期のときには有給休暇取得を避けるなど、配慮が求められることもあります。さらに、年次有給休暇は2019年4月より年5日以上の取得が義務づけられました。「有給休暇申請は○日前に申請しなければならない」など、企業それぞれが決まりを設けていることが多いため、申請前には確認しておきましょう。

定期健康診断

「定期健康診断」は、法定外福利厚生に分類されてはいるものの、各企業は一定の条件を満たす従業員に対しては、健康診断の実施を義務づけていることが多いです。そのため、派遣社員の福利厚生としても主要なものに数えられるでしょう。派遣社員で定期健康診断を受けるためには、社会保険に加入していることや、健康診断実施日に派遣会社と雇用契約が継続しているなどの条件が必要となります。健康診断の受診ができる場合は、事前に派遣会社から連絡が来るのが普通です。派遣社員が自ら派遣先に定期健康診断について問いあわせるのは一般的ではありません。

産前・産後休業と育児休業

「産前・産後休業と育児休業」も福利厚生の一種で、これも雇用形態にかかわらず取得する権利があります。しかし、こちらは法定外福利厚生になるので、完備されているかどうかは派遣会社によって異なるのが実情です。人によっては産休や育休中に派遣の契約期間が終了してしまう可能性があるので、自分が希望する期間に産休や育休をとることができないケースなどがあるからです。ただ、これらの取得を前提に運営している派遣会社も多くあります。派遣社員として子どもと仕事を両立したい場合は、産休や育休の取得実績がある派遣会社を選択することで、安心して働けるでしょう。

また、産休や育休以外にも、ベビーシッターや保育施設の利用料が割引となる福利厚生を用意している派遣会社もあるので覚えておくと便利です。産休・育休がとりづらい派遣会社だからと諦めずに、いろいろと調べることで、派遣会社選びの選択肢を広げることができます。育児はまだ女性が担っている部分が多いので、自分の状況にあわせて考えることが賢明です。

介護休業

「介護休業」は、要介護状態にある家族を介護する人のためにある制度です。要介護者ひとりにつき1回、93日間まで申請できるようになっています。93日間は3回まで分割して取得できるので、およそ3カ月間連続で取得しても良いですし、31日ごとに3回取得しても問題ありません。また、介護休業も産休や育休と同じように、派遣社員は休業中に契約期間が終了してしまう場合などが考えられます。したがって、こちらを取得するには、1年以上雇用されていることなどの条件があるので留意しておきましょう。

一般的に、介護休業が必要となるかどうかは事前に予測することは難しいものです。もし必要になった場合にどうしたいかを考えたときに、介護休業を選択肢に入れるのであれば、取得実績を登録前に確認すると良いでしょう。介護休業の対象となる家族は、配偶者や親、子のほか、祖父母や兄弟姉妹、孫も対象家族の範囲に数えられます。

福利厚生サービス

福利厚生は、一般的に「毎日を安心して暮らせるように用意されているサポート」という認識なのではないでしょうか。しかし、従業員が就業前後や休日に楽しめる「福利厚生サービス」というものも存在します。たとえば、国内外の旅行やレジャー・エステ・スポーツなどの施設を、割安で利用できるといったものは、福利厚生サービスとしてカウントされます。このタイプの福利厚生は、従業員が積極的に利用し価値を実感することで、企業への定着率を高めるのが目的です。派遣会社によっては力を入れているところもあるので、仕事へのモチベーションを高められるかを重要視している人は、特にそういった会社を積極的に選んでいきましょう。

4.働き方改革で変わる派遣社員の福利厚生

2020年4月1日から、改正労働者派遣法が施行されます。これにより、派遣社員の待遇改善が期待されています。ここでは、同法律の施行により、派遣社員の福利厚生という点でどのような影響が出るのかを詳しく説明していきます。

労働者派遣法の改正ポイント

働き方改革で労働者派遣法がどのように改正されるのかは、3つの大きなポイントがあります。そのひとつが、派遣社員の待遇の改善です。同法により、同じ仕事であれば賃金を平等にするべきという観点から生まれた、「同一労働同一賃金」という考え方が導入されます。つまり、こちらは正社員と派遣社員の差別や格差を是正するという法律であり、改正後は派遣社員の賃金がアップし、正社員並みになる可能性があります。

続いて、派遣社員への説明義務の強化も同法改正のポイントです。派遣社員が実際の職務で待遇差を感じたり、評価方法に疑問があったりするような場合には、社員の求めに応じて派遣会社が説明をしなければならないというのがその内容です。改正法では、派遣社員が説明を求めたことを理由に不利益な扱いをすることを禁じています。たとえハラスメントによって評価が下がったなどのセンシティブな問題や苦情であっても、きちんと処理に関する事項が説明され、かつ派遣社員が不利益を被らないことによって、安心して働けるようになるでしょう。

紛争解決手段の整備もまた、同法改正により派遣社員が恩恵を受けるポイントです。仕事をしていると、何らかのトラブルが発生することはあるかもしれません。その際にも、裁判をすることなく、行政の援助や調停(行政ADR)を活用して、解決へと行動できるようにするのが目的です。派遣社員にとっては、時間も精神も削られる裁判を起こさずに済むので、精神的・金銭的な負担が軽減されます。

派遣社員の福利厚生への影響

労働者派遣法の改正で、正社員と派遣社員の間にあった待遇格差が改善へ向かうことが想定されます。福利厚生は、前述のように「派遣元」、つまり派遣会社からの提供がメインであったものが、改正後は「派遣先」、つまり出向いている会社の福利厚生も一部受けられるようになるのです。具体的には、「福利厚生施設の利用」に変更があるので、詳しい説明を見ていきましょう。

必ず利用できる福利厚生施設

労働者派遣法の改正により、利用方法が変更となる福利厚生施設には、「給食施設」「休憩室」「更衣室」の3つがあります。同法改正前は、派遣社員が派遣先の社員食堂を使えなかったり、休憩室で休憩することができなかったりするケースがありました。「同じような仕事をしているのに目に見えて差別されている」と、派遣社員の苦悩がテレビなどでとりあげられることもあったのです。しかし、同法改正後は、派遣先企業が派遣社員に対して正社員と同等の利用機会を与えなければならないとしています。すなわち、社員食堂を利用できることで昼食代が安く済んだり、更衣室が使えることによりトイレなどで着替えなくても良くなったりすることを意味しており、経済的にも精神的にも良い影響をもたらすのです。

改正労働者派遣法は、派遣社員の福利厚生施設の利用について、派遣先にも措置を求めています。上記の施設の利用については、派遣社員が使えて当然と思われるかもしれません。しかし、実際は大手企業であっても、このような待遇差は存在しています。正社員などほかの社員と待遇差があってはならないという点では、同法改正により、派遣先企業にはこれまでよりも明確な意識が必要とされるでしょう。

利用の可能性が広がる福利厚生施設

労働者派遣法の改正で、利用法が変更となる福利厚生施設もあります。改正労働者派遣法では、派遣先企業の福利厚生施設のすべてを利用できるようになるわけではないものの、派遣先企業に対して、派遣社員も利用できるように配慮を求めている施設が存在します。対象となるのは、派遣先企業が設置・運営しており、派遣先企業の正社員などが通常使用している福利厚生施設です。代表例としては、保養施設や保育所、娯楽室、体育館、診療所、浴場、図書館などです。娯楽施設や運動施設、文化施設まで幅広いので、これらの利用が可能となった場合には、派遣社員の福利厚生は一層充実したものになるでしょう。

派遣社員は福利厚生も充実!安心して働こう!

派遣社員であっても、法定福利厚生によって最低限の福利厚生は保障され、今後もっと充実していく法定外福利厚生も派遣社員の働きやすさを後押ししています。これらの状況を考えると、派遣社員になることを検討している人は、安心して就業できるようになるでしょう。

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