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派遣社員の残業代について確認したいこと!請求や計算の方法は?

派遣社員の残業代について確認したいこと!請求や計算の方法は?

派遣社員として働いているけれど、残業代を正しくもらえているのか不安という人もいるでしょう。ここでは派遣社員の給与などの待遇の基本である雇用形態や、残業代が支払われない場合の請求方法を解説していきます。また、残業代の計算方法や残業代に関わる36協定に関しても紹介するので、支払われる仕組みが気になる人はチェックしてみてください。

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目次

2025年2月 | 派遣会社 厳選3社

1. 派遣の基本的な契約形態を認識しよう!

 まず、派遣社員として働いている場合は派遣の雇用形態を認識しておくことが大切です。派遣社員は、派遣会社に登録の手続きをして雇用された人材であり、派遣会社を通して派遣先の企業で働きます。そのため、派遣先の企業とは雇用関係が生じないのが特徴です。派遣会社は、人材を求める企業からの依頼があると、派遣会社に登録している人をその企業に派遣します。そのために、企業は派遣会社と「労働者派遣契約」を結び、その中で労働条件や働く時間、期間を決めているのです。

したがって、派遣先の企業は業務に直接関わる指示を出すことはありますが、給与や働く期間などについては権限を持たないという決まりになっています。つまり、給与や勤務時間など、雇用条件に関して要望があれば派遣先の企業ではなく、自分が登録している派遣会社と相談する必要があるということです。

2. 所定労働時間と法定労働時間の違い

 派遣社員の残業代について考えるためにも、まずは所定労働時間と法定労働時間の違いについて知る必要があります。一言で労働時間といっても、所定労働時間と法定労働時間の2つに区分できるでしょう。所定労働時間とは、雇用契約書で決められた労働時間のことを指しています。所定労働時間は契約内容ごとに異なっていて、たとえば、パートタイムの場合は短時間で、フルタイムなら7~8時間などと決められているものです。一方の法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間のことを指しています。

労働基準法においては、勤務時間が「1日8時間、1週間に40時間まで」と決められていて、企業は労働者に対しこれを超えて就業させてはいけないと定められているのです。法定労働時間は、正社員や派遣社員などの雇用形態による差はありません。そのため、法定労働時間を超えて働いた場合は、派遣社員も残業として認められるので割り増しされた賃金が支払われることが義務付けられています。なお、所定労働時間を超えて働いた場合でも、週40時間以内であれば所定労働時間の時給で支払われることもあるので、割り増しの残業代が支払われるかどうかをチェックするときは週に40時間を超えて勤務したかを判断基準の1つにすると良いでしょう。

3. 派遣社員への残業代が支払われないケース

 派遣社員でも週に40時間までと定められている法定労働時間を超える勤務をした場合は、残業代を支払ってもらうべきです。しかし、実際には、日給月給制なので残業代は出ないといわれたのを鵜呑みにしてしまうケースや、派遣会社が残業代を差し引いて派遣社員に支払っているケースもあるといわれています。また、派遣会社からは残業はしないようにいわれているものの、実際には業務が時間内に終わらないのでサービス残業になっているという場合もあるかもしれません。派遣会社の中には、年俸制やフレックスタイム制などを理由にして残業代を支払わないところもあるようです。

このように、法定労働時間を超えているのにもかかわらず残業代が支払われていないという場合は、派遣先の企業が原因の場合と、派遣会社に原因がある場合の両方が考えられます。しかし、ここで紹介したようなケースであれば、残業代を支払ってもらえる可能性も高いので、派遣会社からいわれたことを鵜呑みにするのではなく、正しい知識を得て支払われるべき残業代はしっかりと請求しましょう。

4. 残業代は派遣会社が支払う

 派遣社員として働いている場合、勘違いしやすいのですが、派遣社員の給与や残業代は派遣会社が支払う仕組みになっています。そのため、法定労働時間を超えて働く場合は、派遣会社から派遣社員に残業代が支払われなければいけないケースがほとんどです。派遣社員が残業代を請求する場合は、派遣先の企業ではなく派遣会社へ請求の手続きをすることになるでしょう。なお、残業時間には上限があり、基本的には「1カ月45時間、年360時間」と決められているので、残業をする場合には上限にも配慮しなければいけません。

ちなみに、このような上限の設定は2019年4月に労働基準法の改正によって定められたものです。これは当初、大企業のみに適用されていましたが、2020年4月からは中小企業にも適用されることになっているので、労働者にとってはより働きやすい環境が整ってきたといえるかもしれません。万が一、上限を超えて勤務させるなど、違反をした場合には懲役6カ月以下又は罰金30万円以下の罰則を科すことが決められています。

5. 残業代が支払われない場合に派遣社員が請求する方法は?

ここからは、派遣社員がおこなう、残業代の請求の手続きについて紹介していきます。残業代が支払われるべきなのにもらえていないという場合は、ここで紹介する必要書類を用意し、正しい請求の方法で支払ってもらうように交渉していきましょう。

必要書類

 まず、残業代を請求するためには「契約以上の労働時間よりも長く働いた」という証明になるものを用意する必要があります。タイムカードや日報などの勤怠記録があれば申請時に提出するようにしてください。また、派遣会社と交わした雇用契約書の所定労働時間も確認するため、残業代の申請時には必要になります。雇用契約書に記載されている勤務時間が何時間になっているのかどうかが、残業代を請求するうえでは重要です。雇用契約書に7時間と書かれているにもかかわらず8時間労働をしたのであれば、残業代を請求する正当な理由になります。

法定労働時間を超えて勤務させるのも問題ですが、雇用契約書に書かれている勤務時間と、実際に勤務した時間の差分が残業代として支払われなくてはいけません。法定労働時間内だから残業代は支払わなくて良いということにはならないので、注意して確認する必要があります。給与明細書に残業手当が記載されていない場合も、残業代を受け取っていないことの証拠として有効なので用意しておくと良いでしょう。なお、給与明細書については、もらった人が処分した場合には派遣会社に開示請求できるので、捨ててしまったという場合でも心配する必要はありません。

請求の方法

残業をしたという証拠の書類がそろったら、派遣会社に残業代を請求します。残業代を請求したという証明を残すためには、「内容証明郵便」を使って郵送すると記録が残るので、利用すると良いでしょう。万が一、派遣会社に残業代を請求しても支払われない場合は、弁護士を立てて和解交渉をする方法もあります。しかし、弁護士を立てるとお金がかかってしまうことを心配して泣き寝入りする人もいるかもしれません。費用をかけたくない場合は、労働基準監督署に相談する方法もあるので、残業代が支払われていない場合はしっかり請求するようにしましょう。

6. 派遣社員の残業代の計算方法

残業代は割り増し賃金の計算方法に応じて金額が決められる仕組みです。ここからは、派遣社員における残業代の割り増し賃金とはどのようなものなのかや、計算方法について解説していきます。

割増し賃金について

 割り増し賃金になるのは、1日の労働時間が8時間、1週間に40時間を超えた場合です。労働基準法により、25%を加えた賃金が支払われる仕組みになっています。派遣社員の場合は、時短勤務で8時間に満たないケースもあるので、割り増し賃金になるのかどうか、自分の労働時間について確認が必要になるでしょう。たとえば、休憩が1時間入る9~17時までの契約であれば、労働時間は7時間と見なされます。そのため、1時間延長して働いても割り増し賃金は適用されず、通常の時給で支払われることになるのです。

ほかにも、土曜日や日曜日に休日出勤した場合も、勤務時間の合計が1週間で40時間を超えていると時間外労働になり、25%割り増しした賃金が支払われます。しかし、休日出勤をしても、平日1日が休みの場合など、勤務時間が1週間に40時間を超えていない場合は、時間内労働と見なされるので、割り増し賃金にはなりません。なお、一般的には休日出勤をしたからといって割り増し賃金が適用されるわけではありませんが、派遣会社によっては週に40時間勤務したかどうかにかかわらず、休日出勤をした場合は25%割り増しした賃金を支払うと決めているところもあるようです。

計算方法

 基本的な残業代の割増し賃金の計算方法は「1時間の賃金×残業時間×1.25」で算出していきます。たとえば、時給1000円で10時間の残業をした場合は、1万2500円の残業代になるということです。原則として、1カ月の残業時間を合計したときに、30分未満の金額は切り捨て、30分以上は切り上げて計算をします。なお、企業によっては15分もしくは30分単位で残業代の計算をするところもありますが、15分に満たない場合に残業時間を15分と見なすことは問題ないものの、切り捨てて残業をしなかったことにすることはできません。

そのようなことをした場合は、労働基準法第24条第1項に違反していることになります。ただし、1カ月の残業代の総額に1000円未満の端数が出た場合は、翌月に繰り越すことも可能です。

7. 派遣社員が残業をするために必要な36協定とは?

 労働基準法では、原則として労働者に1日8時間、週40時間を超えて労働させてはいけないと定めていますが、あらかじめ企業との間で36(さぶろく)協定を結んでおくことで、派遣社員も残業することができます。36協定の正式名称は「時間外・休日労働に関する協定届」で、労働者に残業をさせる企業は必ず届けなければいけない決まりとなっています。過半数の社員と企業が書面で協定を結ぶことが必要で、派遣会社においても、過半数の社員により36協定を結んでいることが多いです。

そもそも36協定は個別に同意を得る必要はなく、従業員の過半数を代表する人たちの同意が得られれば36協定を締結したことになります。同様に派遣会社もすでに契約先の企業と36協定を結んでいることが多いため、派遣社員も派遣会社と契約をした時点で36協定を結んだことになり、別途36協定を結ぶことはほぼないでしょう。

8. 就業形態が変わると残業代はどうなる?

 派遣社員の残業代は、就業形態によって異なります。たとえば、1カ月や1年など、期間内で柔軟に労働時間を定める「変形労働時間制」という就業形態の場合は、期間内の労働時間を超えた場合に残業代が発生するという仕組みです。たとえば、24時間勤務体制の工場の変形労働時間制で、1日10時間と定めている場合、勤務時間が10時間以内であれば残業にはなりません。また、1カ月以内であれば自由に労働時間を決めることができる「フレックスタイム制」では、1週間の平均時間を算出して40時間を超えた場合に残業代が発生します。

変形労働時間制やフレックスタイム制での労働をする場合は、あらかじめ、派遣会社と派遣社員が協定を結び、就業規則に入れておくことが必要です。

9. サービス残業を強要された場合の対処法!

 勤務時間を超過した分の賃金を支払ってもらうことは当然ですが、派遣先の企業によってはサービス残業を強要してくる場合もあるかもしれません。そもそも派遣社員の残業に関しては、派遣先で働く前に36協定によって契約が成立しているので、サービス残業をさせることは認められていません。しかし、派遣先の企業がサービス残業を強要してきたり、周囲がサービス残業をしているので帰りにくかったりするなどのケースもあるでしょう。また、派遣社員は、査定などの評価が気になり、サービス残業を断りにくい思いをすることもあります。

本来、派遣社員は派遣先の企業でのサービス残業を断ることができるのですが、派遣先で働きにくくなることや、契約打ち切りなどの影響も考えられるので、したくなくてもせざるを得ない事態になってしまうこともあるでしょう。嫌な思いをしながら働かなくて済むように、派遣先の企業からサービス残業を頼まれたら、すぐに派遣会社へ連絡することが大切です。申し出ているにもかかわらず派遣会社が対応しない場合には、労働基準監督署へ相談する方法もあるので、無理してサービス残業をしないようにしましょう。

派遣社員の残業代への正しい知識を身に付けよう!

派遣社員の残業代については、その仕組みや計算方法を理解するなど正しい知識を持つことが必要です。残業代が支払われるかどうかには基準もあるので、自分に当てはまるか確認してみましょう。残業代が正しく支払われていない場合には、必要書類を用意してしっかりと請求しなくてはいけません。残業代について疑問がある場合は、是非ここで紹介した情報を参考にしてみてください。

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