目次
2024年11月 | 派遣会社 厳選3社
1. 派遣だと給料はアップできないのか?
昇給するには、ハードルの高い条件をクリアしなければいけない場合もありますが、派遣でも昇給は十分に可能です。
実際に、派遣サーチで時給アップ交渉について調査したところ、約3割の人が時給アップ交渉にチャレンジしたことがありました。
時給交渉をした人の中で、約9割弱の人が時給交渉に成功しています。
どのくらい時給が上がったかについて聞いたところ、以下のような回答でした。
調査概要
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:派遣経験者(523名)
しかし、自分の希望どおりに時給を上げてもらうには、それなりの戦略を練る必要があります。企業が派遣社員を雇いたいのは、正社員を雇うよりも安い費用で人材を確保できることにメリットを感じているからです。そこに高いコストがかかると分かれば、他の人を採用したり、他の派遣会社を使おうとしたりするでしょう。それでも、普段の業務態度や担当した業務の実績など、この人には続けてもらいたいと相手に思わせるだけの結果を残していれば、昇給できる可能性は十分にあります。気をつけておきたいことは、自分をアピールする内容や交渉するタイミングを見計らうことです。
2. まず契約前にしっかり時給について考えよう
提示された時給の金額以上の仕事をするスキルが自分にはあると判断するなら、契約前に時給交渉してみましょう。そのためには、それだけのお金を支払う価値がある存在だと、相手に納得してもらえるような自己アピールが必要です。たとえば、前職での仕事内容をより具体的に説明したり、履歴書に記載している資格を再確認してもらったりできるでしょう。現在勉強していることや取得しようとしている資格などがあれば、それらも交渉の際のアピール材料となります。また、契約を結んで働き始めてからでも注意できることがあります。契約時の条件と実際の業務内容が異なっている場合や、より高度な仕事を派遣先で要求された場合は、試用期間中であっても、遠慮せずに派遣会社(派遣元)の担当者に相談してください。
3. 派遣の時給交渉に有効なアピールポイントとは
では、これから派遣の時給交渉に有効なアピールポイントについて説明していきましょう。
普段の勤務態度や実績をアピールする
働きぶりがよく、派遣先の企業から派遣元に、この人の派遣を続けてほしいと要望されていれば、派遣会社も時給アップに応じてくれる可能性が高くなります。それで、無断欠勤はもちろん、普段から遅刻しないようすることや、上司・同僚とのコミュケーションを十分取ること、業務を滞りなく行なっているという状態を常に維持するように心がけましょう。社会人としての自覚をしっかりもって行動しておくことは、時給交渉に有利に働きます。また、労働者派遣契約書以上の業務をこなしているのであれば、それもアピールポイントとなります。さらに、現場でやむを得ず人手が足りないため他業務を手伝ったり、新しい業務内容が追加されていたりする場合には、それに見合った対価を支払って欲しいと主張することができます。
具体的な希望の時給金額を提示してアピールする
時給交渉では、「ちょっと上げてほしいのですが」などのあいまいな表現ではなく、時給希望額をハッキリ伝えることが大切です。具体的に金額を伝えることで、昇給希望の本気度が伝わります。金額を言うことに躊躇してしまうと、思っていたほど時給がアップせず、明細を見てガッカリということもあります。また、派遣先企業が負担する時給アップ分の一部を派遣元が「中抜き」して、実際は100円時給がアップしているのに、30円しか上がっていないという悪質なピンはねも起こり得ます。
同じ仕事なのに、他社から派遣されている人の時給のほうが高いのであれば、そのことを伝えて、同等の金額を提案してみるのも一つの方法です。同職種での時給相場と比べて低いと感じる場合も、相場の金額を提示してみるとよいでしょう。ただし、過度な時給アップの要求は避けましょう。時給は100円上がればかなりいいほうです。客観的に見た自分の仕事の評価を踏まえ、100円以内の金額で交渉するのがベストです。
4. 派遣会社へ時給交渉する場合に良いタイミングとは
では、いつ派遣会社と時給交渉するのがいいでしょうか。昇給を打診するタイミングは、継続して1年以上経ったころの契約更新の際に行うのが良いとされています。それより前だと、時給アップを検討するだけの実績がまだ足りないと言われてしまう可能性があります。契約更新のタイミングは契約している派遣会社によって異なりますが、3カ月ごとや6カ月ごとに更新している派遣会社が比較的多く見られます。それで、たとえば3カ月ごとに契約更新をする派遣会社に登録していれば、4回目ないしは5回目の契約更新時に時給交渉してみるということになります。
時給交渉について伝えるベストなタイミングは、契約更新時ではなく「現在の契約の更新1カ月前」です。契約更新ギリギリに交渉しても、今回の更新には間に合わないため、次回の更新の時にと後回しにされてしまうことがありますし、早すぎても忘れられてしまう可能性があります。派遣会社は就業者から時給交渉されることには慣れているので、更新の1カ月前くらいに伝えておけば、昇給できるかどうかの検討もしやすく、時給交渉にスムーズに入ることができるでしょう。それで、交渉を持ちかける時期のポイントは、遅くても早くてもダメ、更新1カ月前、と覚えておいてください。それでも、派遣会社から期間がまだ短い、実績がまだ足りないとか、その他の理由で時給アップを却下されることもあり得ます。その場合は、めげずに再度2年目のタイミングで交渉してみてください。
5. 現職での昇給ができなければ契約期間の終了時に職種を変えてみる
契約更新時に時給交渉をしてもあげてもらえなかった場合や、昇給につながる実績はなくても時給をアップさせたい場合は、就業中の契約期間満了後、今より時給の高い仕事に転職してみるのも一つの方法です。現在働いているのと同じ職種で高い時給の現場へ派遣してもらうことも可能ですが、職種そのものを変えてみるほうが、より大幅な時給アップを期待できるときがあります。
他の職種への転職は、経験やスキルを求められることが多く、未経験では採用されにくいと思われがちですが、派遣社員は正社員のサポート的な役割をする仕事が任されやすいため、未経験でも問題にならないケースがたくさんあります。確かに、未経験の職種は不安が付き物ですが、時給が高ければモチベーションも上がりますし、新しい仕事の知識が得られるため、スキルアップにもつながります。契約期間があるという派遣社員ならではのメリットを生かし、時給の高い職種への転職を試してみることもおすすめします。
6. 所属している派遣会社を変えて時給アップを図る
派遣会社にとって実際に時給を上げるというのはとても難しく、仮に上がったとしても、就業者の希望する額にはなかなか満たないというケースが多いのも事実です。時給単価にどうしても納得できない場合は、思い切って利用する派遣会社を変えるのも有効です。会社によって保有している求人が違うため、同じ仕事でも別の派遣会社のほうが好条件で募集している場合があります。ですから、現在の派遣会社に固執する必要はまったくありません。派遣の身軽さというメリットをうまく利用して、自分が納得できる対価を出す派遣会社に登録しましょう。
時給交渉はしないと損!
正社員だけでなく、派遣でも時給交渉は可能です。たとえ時給交渉が上手くいかなくても、そのために時給が現状から下がるということはないので、交渉はできるだけしたほうが得です。また、現状の時給がどうしても納得できない場合は、高い時給の職種に転職してみたり派遣会社を変えてみたりと、派遣という立場のメリットを最大限生かして、納得のいく働き方できるように工夫してみてください。