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扶養控除と配偶者控除の違いとは?適用の条件や控除額を解説

扶養控除と配偶者控除の違いとは?適用の条件や控除額を解説

扶養内の家族がいる納税者が受けられる扶養控除と、扶養内の配偶者がいる納税者が受けられる配偶者控除を混同してしまっている人は多いのではないでしょうか。とりわけ、配偶者がいる人は、扶養控除と配偶者控除の違いをしっかり把握しておくことが大切です。そうすることが扶養内における働き方を決めるための重要なポイントとなるでしょう。そこで、今回はそれぞれの控除の適用条件や控除金額などについて詳しく解説します。

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目次

2024年11月 | 派遣会社 厳選3社

1. 扶養控除とは

扶養控除とは、所得税や住民税を納める際、控除対象となる扶養親族のいる納税者が一定の所得控除を受けられる制度のことです。控除対象となる扶養親族とは、その年の12月31日現在で16歳以上の親族などのことを指します。ここでは、その具体的な適用条件や控除金額について解説します。

扶養控除の適用条件

扶養控除の対象は、納税者と生計を共にしている家族です。ただし、配偶者には別の配偶者控除という制度があるため、扶養控除の対象には含まれません。そのため、たとえば、夫婦と祖父、18歳の子どもという家族4人で暮らしている場合、祖父と子どもが扶養対象者となります。ただし、祖父や子どもに何らかの収入がある場合、収入額が自営業や農業などの事業所得であれば年間の所得が38万円以下(2020年以降は年間の合計所得が48万円以下)、アルバイトなど給与所得のみの場合は103万円以下(2020年以降は113万円以下)でなければなりません。その金額を越えると扶養範囲から外れることになります。

また、事業専従者でないということも適用条件です。事業専従者とは、年間6カ月以上納税者が営む事業に従事している家族従業員のことを指します。つまり、先ほど例に挙げた家族構成であれば、納税者が店や会社を営んでおり、祖父や子どもがその店や会社で働いて給料を受け取っている場合、祖父や子どもは専業従事者となるので扶養控除から外れます。

扶養控除の金額

扶養控除における控除額は、扶養親族の年齢や同居の有無によって異なります。一般の控除対象親族の場合、控除額は38万円です。それとは別に、その年の12月31日現在で19歳以上23歳未満の扶養親族は特定扶養親族となります。特定扶養親族の場合、控除額は63万円です。また、その年の12月31日現在で70歳以上の扶養親族は老人扶養親族となります。老人扶養親族の場合、納税者と扶養対象親族が同居している場合は58万円、同居していない場合は48万円の控除です。

老人扶養親族の同居については、病気の治療のため入院している場合には、たとえその入院期間が長期間であっても同居と認められます。しかし、老人ホームなどに入所している場合には、同居とは認められません。

2. 配偶者控除とは

配偶者控除とは、扶養家族のうちで配偶者がいる場合、所得税や住民税を納める際に納税者が受けられる控除です。配偶者の収入が規定の範囲内であれば、納税者の総所得などから規定の金額が控除されます。ここでは、配偶者控除の具体的な適用条件や金額について解説します。

配偶者控除の適用条件

配偶者控除の適用条件には、納税者自身に関するものと配偶者に関するものがあります。納税者自身に関する適用条件は、納税者の合計所得金額が1000万円(給与所得の場合は年収1120万円)以下であることです。配偶者に関する条件は、その配偶者が事業所得を得ている場合には年間の合計所得が38万円以下(2020年以降は年間の合計所得金額が48万円以下)の場合になります。また、給与所得のみの場合には年間の合計所得が150万円以下であることが条件です。また、扶養控除の場合と同じく納税者の経営する会社や店から給与を受ける専業従事者でないことも適用条件の一つです。

配偶者の合計所得が38万円(2020年以降は48万円)以上の場合でも、所得以外の面で配偶者控除の条件を満たしているならば配偶者特別控除を受けられます。配偶者特別控除額は配偶者の所得と納税者本人の所得によって決まり、段階的に金額が下がっていくのが特徴です。この配偶者特別控除は、配偶者の所得が123万円(給与所得で201万円)まで受けられます。ただし、その場合、配偶者特別控除を受けることができたとしても、配偶者控除の範囲外となる所得がある配偶者は所得税や住民税を納める義務が発生するので注意が必要です。

また、配偶者と認められるのは民法の規定による配偶者です。そのため、事実婚や内縁の夫や妻といった関係にある人は配偶者控除の対象とはなりません。

配偶者控除の金額

配偶者控除の金額は、納税者の所得と配偶者の年齢によって3段階に分けられます。なぜなら、配偶者の年齢が70歳以上の場合、老人控除対象配偶者として納税者はより多くの控除を受けられるからです。老人控除対象配偶者とは、その年の12月31日時点の年齢が70歳以上の人のことになります。たとえば、納税者の合計所得が900万円以下の場合の配偶者控除額は38万円です。しかし、老人控除対象配偶者だと48万円の控除になります。同じように、納税者の合計所得が900万円以上950万円以下の場合には、配偶者控除額は26万円です。老人控除対象配偶者だと32万円の控除となります。

そして、納税者の合計所得が950万円以上1000万円以下の場合は、控除額は13万円です。老人控除対象配偶者だと16万円の控除です。納税者の所得が1000万円以上の場合には、配偶者控除は受けられません。

3. 16歳未満だと扶養控除の対象外

扶養控除に関して気をつけるべきポイントとして、子どもの年齢が挙げられます。かつては、子どもは0歳から扶養控除の対象でしたが、16歳未満の子どもに対しては生まれてから中学校を卒業するまで毎月の児童手当が支給されることになりました。そのことを受け、2011年以降は16歳未満の子どもは扶養控除の対象外です。また、これまでは16歳以上23歳未満の人を扶養している場合は特定扶養親族として63万円の控除が適用されていました。

しかし、これも高校教育の無償化に伴って見直され、16〜18歳の特定扶養親族に対する上乗せの控除も2011年に廃止されました。そのため、子どもが高校生の場合はその他の扶養親族と同じ38万円の控除額となり、19~23歳までが特定扶養親族となります。

4. 扶養控除は別居中でも適用される

扶養控除や配偶者控除の要件として、同居しているかどうかは関係ありません。それよりも、被扶養者である納税者とその家族が生計を共にしていると認められるかどうかのほうが重要なポイントです。そのため、仕事の関係やその他の理由で夫婦が別居している場合でも、配偶者の収入が配偶者控除の範囲内であれば扶養家族として配偶者控除が適用されます。また、子どもが学校に通うために下宿している場合でも、その子どもと納税者の家計が同一だと認められれば扶養控除が適用されます。

一方、たとえ配偶者や子どもと同居している場合であっても、家計を別としていれば扶養控除は適用されません。また、同居している家族の収入額が扶養家族の範囲を超える場合にも、同じく控除は受けられないので注意が必要です。

5. 扶養控除は年配の親にも適用される

扶養控除は、配偶者や子どもだけが対象者ではありません。16歳以上であれば、年配の人にも扶養控除が適用されます。たとえば、年配の親戚と一緒に暮らしたり、仕送りによって生計を共にしたりしていれば、扶養家族と認められて扶養控除が適用されるのです。ただし、年配の人の場合は、受け取っている老齢年金も所得に含まれます。そのため、扶養控除を受けるためには年金の受給額がいくらなのかをあらかじめ確認しておくことが必要です。また、老人扶養親族は同居しているかどうかによって控除額が変わるので注意しましょう。

適用条件を把握して働き方を見直そう

扶養控除と配偶者控除は、それぞれに対象者や適用条件が異なります。控除を受けるためにはそれぞれの適用条件について正しく把握しておくことが大切です。また、これらの控除は同居していなくても適用されます。とりわけ、年配の家族も対象になっていることは見逃されがちなので注意が必要です。今回ご紹介した内容を参考に、控除を受けられずに損をしてしまっていないかどうかをよく確認してみましょう。

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