※本ページはプロモーションが含まれています。

派遣には交通費が出ない?非課税って本当?交通費にまつわる疑問を検証

派遣には交通費が出ない?非課税って本当?交通費にまつわる疑問を検証

同じ職場で働いていても、正社員やパート、アルバイトに交通費が支給されているのに、派遣スタッフだけがもらえないというケースがあります。交通費が支払われないことを、不当な待遇と感じる人もいるでしょう。そこで、派遣スタッフに交通費が支給されない理由や、派遣スタッフとして働くことのメリットなどを紹介します。

  • 公開日:
  • 最終更新日:

目次

2024年11月 | 派遣会社 厳選3社

1. 派遣スタッフにはほとんど交通費は支払われていない

派遣スタッフの場合、アルバイトや契約社員など他の雇用形態の従業員とは異なり、「交通費」という項目で支給されることはほとんどありません。なぜ派遣スタッフには交通費が支払われるケースが少ないのかを説明します。

交通費は払わなくても違法ではない

まず、派遣スタッフに限らず、正社員やアルバイト、パートタイマーであっても、企業が交通費を支払う義務はありません。交通費は法定外の福利厚生に該当するため、企業が任意で支給します。ただし、派遣先の企業が雇用している従業員には交通費も直接支払われますが、派遣スタッフを雇用しているのは派遣先の企業ではなく派遣会社です。そのため、派遣スタッフに交通費を支給する場合、派遣会社が支払うことになり、食い違いが生じてしまいます。

交通費を配慮した高い時給設定にしている場合が多い

 そもそも、派遣スタッフの時給は、パートタイマーやアルバイトなどの直接雇用されている従業員に比べると、かなり高額に設定されています。たとえば、同じ仕事をしているにもかかわらず、直接雇用されている従業員の時給が1000円、派遣スタッフの時給が1600円というように、大きく差がついているケースは少なくありません。派遣会社が提示する時給が高いのは、交通費を別途支給しないことを前提として設定されているためです。交通費が支給される場合、派遣会社として事業を維持するためにも、時給を下げざるを得ません。

派遣料から派遣スタッフへの給料を引き、さらに交通費まで払うと、派遣会社の利益は大幅に減ってしまうでしょう。さらに、派遣会社は派遣スタッフだけでなく、派遣会社で働く正社員の給与も支払う必要があります。しかし、時給を下げてしまうと、他の派遣会社よりも条件が見劣りしてしまい、派遣スタッフも集まりません。そのため、各派遣会社が交通費を含む時給を提示することで、横並びになっているのです。

2. 交通費は上限までは非課税となる

交通費は一定の限度額までは非課税となります。しかし、一口に交通費といっても、通勤する手段や距離によって、支給される金額は異なるでしょう。ここからは交通費が非課税となる条件について詳しく説明します。

非課税対象額は、利用する交通機関によって異なる

 電車やバスなどの公共交通機関を使って通勤する場合、非課税対象となる交通費の上限は、1カ月あたり15万円までです。交通費が15万円を超えた場合、超過分の金額だけが課税対象となります。ただし、利用する交通機関は「経済的かつ合理的な経路と方法」でなければいけません。万が一、「経済的かつ合理的な経路と方法」と認められなければ、15万円以内であっても非課税対象とは認められないので注意しましょう。

マイカーや自転車で通勤する場合、通勤距離が2km以上の場合に限り、交通費は非課税です。なお、上限金額は通勤距離によって異なります。たとえば、片道2km以上10km未満の場合、上限金額は4200円です。片道10km以上15km未満なら上限金額は7100円となります。片道15km以上であれば10kmごとに上限金額が上がりますが、55kmを越える場合は一律で3万1600円が上限です。公共交通機関とマイカーなどを併用するのであれば、公共交通機関の利用料金と、マイカーなどを使ったときにかかる費用を足した金額が、1カ月あたり15万円以内であれば非課税となります。

給与明細に「交通費」の項目があれば還付できる?

派遣スタッフの給与には、あらかじめ交通費が含まれているぶん、「交通費」という項目がないケースがあります。しかし、給与明細に「交通費」の記載がなければ、交通費として上乗せされている金額も含めて課税対象となってしまうのです。ただし、「交通費」という項目があれば、年末調整で還付される可能性があります。年末調整による還付ができるかを調べるには、派遣会社へ直接問い合わせるのが最も確実な方法です。

3. 交通費ありとなしのどちらが得かは条件次第

 これから派遣スタッフとして働くことを検討している人の中には、時給が高いかわりに交通費の支給がない場合と、交通費は支払われるものの時給が低い場合のどちらを選ぶべきか迷っている人もいるでしょう。どちらが得なのかは実際に通勤する際にかかる交通費や就労条件により異なるため、一概にはいえません。たとえば、交通費がほとんど必要ないほど近場で働く場合は、時給に含まれる交通費を丸ごと自分の手取りにすることができます。

ある程度の交通費がかかる場合は、交通費が別途支給される仕事を選んで、非課税にしたほうがお得です。また、手取りを増やしたい場合は、残業が多い仕事を選ぶという方法もあります。仕事によっては交通費支給の有無を選べるケースもあるので、悩んだときは派遣会社に相談してみると良いでしょう。

4. 派遣先企業が別途交通費を払うケースもある

交通費が支給されないケースが多い派遣スタッフですが、交通費支給を前面に押し出している求人広告も増えつつあります。この場合、交通費を支払っているのは派遣会社ではなく派遣先の企業です。ただし、交通費が支給される求人は、時給が安く設定されているケースもあります。さらに、交通費には上限が設定されていることが多く、必ずしも全額が支払われるとは限りません。条件によっては、かえって損をしてしまう可能性もあるので、応募する前に交通費が支給される条件や上限額をよく確認しておきましょう。たとえば、似た条件で交通費がある求人とない求人があれば、通勤距離や定期券の金額などを踏まえたうえで、どちらが得なのかを一度試算してみると安心です。

5. 交通費の疑問は契約前にしっかり確認を!

 少しでも損をしないためには、新しい派遣先を決めるときに、交通費の扱いを事前にしっかりと確認しておくことが大切です。交通費が支給されれば、必ずしも得をするとは限りません。例として、1日の実働時間が8時間で週休2日制、時給1500円の仕事で、交通費の支給がある仕事とない仕事を比較してみましょう。支給される交通費が1日500円であれば、月収は25万円です。一方、交通費が支給されない場合の月収は24万8000円になります。

この場合、交通費が支給される方が、月収は2000円ほど高いです。ただし、交通費が支給されなくても、給与明細に交通費の項目があり、かつ非課税処理をしてもらえるのであれば、交通費がない仕事のほうがお得になる可能性があります。自分の働き方をふまえたうえで、最も効率の良い条件の求人を探してみましょう。ベストな条件を探す方法がわからないときは、派遣会社の担当者と相談したほうが確実です。

6. 同じ仕事に対して異なる条件で働いていることもある?

同じ求人に応募した場合でも、派遣スタッフによって時給や交通費が変わることがあります。同じ仕事をしているのに差がついてしまうのは、派遣会社の違いによる部分が大きいです。

同じ職場の同期スタッフの時給が違うケースも!

派遣スタッフの場合、同じ職場で同じ仕事をしていても、時給などの条件が違うというケースは珍しくありません。仕事内容やスキルにも目立った差がないのに、より良い待遇で働いている派遣スタッフがいるのは、登録している派遣会社が違うためです。あるいは、待遇に大きな違いはなくても、交通費がしっかりと支給されている可能性もあります。ただし、良い条件で働ける仕事を見つけるには、交通費の有無にこだわるよりも、時給や待遇に注目したうえで、より多くの手取りを得られる方法を見極めることが重要です。

派遣会社が違えば条件も違う

より高い時給や良い条件で働いている人は、複数の派遣会社に登録している可能性が高いです。あらかじめ複数の派遣会社に登録しておけば、同じ派遣先でも待遇の良い派遣会社を選ぶことで、効率的に収入を増やすことができます。交通費の有無を含めて、条件を比較することも可能です。少しでも良い条件で働くためにも、2つ以上の派遣会社に登録したほうが良いでしょう。
どの派遣会社に登録するべきかわからないという場合は、派遣会社紹介ページで、派遣会社を様々な確度で比較・紹介をしていますますので、チェックしてみてください。

7. 労働者派遣法改正で交通費はどう変わる?

かつては派遣スタッフに対して交通費を支払わないのが一般的でした。しかし、世間の動きとともに、派遣スタッフの待遇に関する考え方が変化しつつあります。

派遣スタッフの待遇が格段に上がる?

 2020年4月の労働者改正法により、非正規雇用労働者の待遇が大幅に変わります。その中でも、パートタイマーやアルバイトに先立って待遇の改善が行われるのが、派遣労働者です。まず、働き方改革の一環として、非正規雇用労働者にも「同一労働同一賃金」が適用されます。同一労働同一賃金とは、簡単にいえば同じ仕事をしている従業員に対し、同じ賃金を支払うことで、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇の差をなくすことです。

具体的には基本給の大幅アップや、正規雇用労働者と同等以上の賞与や交通費、退職金が支払われるなどの改善が行われます。派遣スタッフの待遇が優先的に改善されるのは、派遣先が変わるたびに賃金も変わることから、所得が不安定になりやすいためです。また、派遣先が大企業であれば賃金が高く、中小企業では賃金が低い傾向が見られます。しかし、業務の難易度は、必ずしも企業の規模に比例しません。そのため、派遣スタッフはキャリアアップが難しくなってしまうのです。このような理由から、労働者改正法には派遣スタッフのキャリアアップを支援する目的もあります。

交通費の取り扱いはこうなる

 法改正以降、交通費の扱いは実費支給となるか、一般労働者の通勤手当と同等以上の金額が定額支給されるかのいずれかです。実費支給の場合、対象となる派遣スタッフに、通勤距離や通勤方法に応じた交通費が支給されます。なお、交通費は厚生労働省が示す「一般通勤手当」の基準と同等以上に設定しなければいけません。なお、一般通勤手当は時給換算で72円です。

ただし、定額支給など交通費の上限が決まっているのであれば、派遣スタッフの平均的な時給に換算した際に、72円未満になってしまうケースもあるでしょう。その場合は、派遣スタッフの通勤手当を時給換算したうえで、一般通勤手当と同等以上に設定しなければいけません。どちらの方法で交通費を支給するかは、労使協定の話し合いにより決定します。

平均的な勤務の場合の交通費の計算例

法改正後、交通費がどのように決定されるのか気になっている人もいるでしょう。そこで、平均的な勤務時間を例に、交通費を算出する方法を紹介します。たとえば、1日あたりの労働時間が8時間で週休二日制の場合、1カ月あたりの交通費の上限は72円×8時間×5日×52週÷12月=1万2480円です。この場合、毎月の交通費の上限が1万2480円未満であれば、最低でも1万2480円の交通費を支給する必要があります。

交通費や賞与や退職金の支給は義務となる

 交通費や賞与、退職金の支給を含む改正法は、2020年4月1日に施行されます。これらの支給が義務化されれば、2020年4月以前から契約している全ての派遣スタッフにも適用されるため、派遣会社は改正法が施行される前に準備を整えておかなければいけません。これから契約するスタッフに対しても、改正法を見据えた契約を結ぶことになるでしょう。ただし、最終的に派遣スタッフに交通費を支給するかは、派遣会社の判断によります。

派遣先に合わせて派遣スタッフの待遇を改善するのであれば、直接雇用の社員と同様、派遣スタッフにも交通費が支払われる可能性が高いです。ただし、派遣スタッフは自分で勤務地を選べるのに対して、正社員は転勤命令が出る場合があることから、交通費が高く設定されています。そのため、転勤の可能性があるスタッフには交通費が支給され、転勤がないスタッフには交通費が支給されないというケースも予想されるのです。具体的にどのような支払いになるのかを知るためにも、派遣会社の担当者としっかり話し合ったほうが良いでしょう。

法改正の動きにも注目し効率的に交通費を活用しよう

労働者派遣法改正により、派遣スタッフの交通費のあり方は大きく変わる可能性があります。しかし、交通費の支給の義務化も含め、どのように影響するのかについて、はっきりとしたことはわかりません。交通費という名目にこだわるよりも賃金全体を見たうえで、賢く効率的な働き方を選べるよう、常にアンテナを張っておきましょう。

Scroll Top ページ上部に戻る