目次
2024年11月 | 派遣会社 厳選3社
1. 職務経歴書を提出する理由
職務経歴書が転職活動にとって重要な書類なのはなぜでしょうか。ここでは職務経歴書を提出する理由を紹介します。職務経歴書は、学歴や職歴、住所などの個人情報が客観的に記載されている履歴書と違って、どのような会社でどのような仕事をし、どのような能力を発揮してきたのかが詳細に書かれ、社会人としての実務能力を知るために必要とされます。職務経歴書には決まったフォーマットがないため、レイアウトや書き方自体に個性が出ます。よって、職務経歴書を見ることで応募者の書類作成能力やプレゼンテーション能力を知ることができます。
また、これまでの職務経験でどのようなスキルを培ってきたかを確認するためにも利用されます。採用担当者は記載されている内容を細かく確認し、応募者が求めている人材にふさわしいかどうか判断します。職務経歴書は入社への意欲の高さを知るため、そして応募者の強みを知るためにも重要な資料となります。履歴書よりも詳細に書けるため、これまでの職務経験から自分の長所を知ってアピールできているかを見ることができます。企業にとって有力な人材となるかを見極め、面接のステップへ進めるかどうかの判断材料となる重要な書類です。採用担当者が初めて応募者のことを知るきっかけになるので、職務経歴書が応募者の第一印象を決めます。
2. 職務経歴書と履歴書で見られるポイント
職務経歴書と履歴書はどう違うのでしょうか。職務経歴書は、履歴書とは違った部分を見るために使われています。そこで、それぞれでチェックされるポイントを解説していきます。
職務経歴書で見られるポイント
職務経歴書では、まず企業が求める実務能力があるかがチェックされます。採用担当者は、応募者がこれまでの職務経歴を通してどのような実力を得てきたのか、そして今募集しているポジションにはふさわしいかを判断することができます。これまでのキャリアの流れを見て、転職の目的に説得力があるかも見られます。行ってきた職務を詳細に記載するので、記載されている能力や動機などの記載内容に信ぴょう性があるかといった点も確認されます。応募しているポジションが背伸びしすぎていないか、書かれている内容がオーバーではないか、これまで働いてきた会社や役職、経験と照らし合わせて総合的に見ることができます。
履歴書とは違い、これまでの経験やこれからチャレンジしたいことを詳細に書けるので仕事への意欲は高いかという点も見られます。問題などがあった場合にどういった対応やとらえ方をしてきたのかを知ることができます。そして、プレゼンテーション能力は十分かといった点が確認されます。職務経歴書自体が自己の経歴や長所をプレゼンテーションできる書類です。決まりきったフォーマットがないので、見せ方や内容で書類作成能力とプレゼンテーション能力を見ることができ、応募者の個性に差が出ます。
履歴書で見られるポイント
履歴書では、通勤に問題のない場所に住んでいるか、入社への意欲が高いか、転職回数から組織への適応力はあるか、希望給与などに隔たりがないか、そして学歴や職務経歴が評価でき応募先と関係性があるかといった点がチェックされます。
履歴書には住所や学歴、職歴などの基本的な個人情報が書かれます。応募者がどのような人間であるのかという基本情報が客観的に記載され企業に提出されます。したがって、職務経歴書のように個性は出にくく、自己アピールとしての役割は職務経歴書に比べると低くなります。志望動機は記載できますが、これまでのキャリアに即した内容を限られたスペースで説明するのは難しいかもしれません。また、それぞれの勤務先での経験は詳細に記載できず、転職の経緯は回数程度しかわかりません。転職でキャリアアップしてきても、回数が多いと「組織に適応できず、転職を繰り返しているのではないか」と思われてしまう可能性もあります。学歴や職務経歴は応募時点で変えることはできず、職務経歴書のようにこれからやりたいことや意欲をアピールするのは易しくありません。
3. 職務経歴書を作るための準備
自己アピールをするために重要な職務経歴書は、どのように作成したらよいのでしょうか。ここでは職務経歴書をつくるための準備について紹介します。
準備1:キャリアを整理する
職務経歴書を作るための準備の第一歩は、今までのキャリアを時系列に沿って書き出し整理することです。まずは、勤務先ごとに携わった仕事内容を整理していきましょう。勤務先については、よく知っているつもりでも正しい情報をHPやパンフレットなどで今一度確認しておきます。第三者にもわかりやすく説明できるように準備しておくと、業界の異なる会社へ応募するときにも役に立ちます。
それぞれの仕事をこなす中で自分が身に付けた能力やスキル、得意になった分野なども書き出します。同じ勤務先でもキャリアにおいて変更があった場合はその経緯や役職、そして部下がいた場合は人数なども書き出しておきます。また、実績や成果についても具体的にまとめておきます。数字などのデータがあれば、より明確でわかりやすくなります。
準備2:スペシャルキャリアを洗い出す
次に、スペシャルキャリアを洗い出します。受賞歴や特殊な経験があれば、それをまとめます。社内での賞や知名度の低い賞の場合は、その内容や取得の難易度も書いておきます。新規事業や新規店舗の立ち上げなどの経験がある場合は、具体的な内容を洗い出します。
華々しいキャリアはこれまでなかった、という人はここで諦める必要はありません。失敗経験もスペシャルキャリアとなります。失敗経験の場合は、失敗に対してどういう対処をして切り抜けたかが大切です。課題を改善するために行った取り組みや工夫、そこで学び今に活かしている点などを書き出しておきます。
準備3:応募先企業が求めている人物像を理解する
次に応募先企業が求めている人物像を理解します。企業側の立場にたって、応募先企業がなぜ人材を募集しているのか、どのような人材を今求めているのかを考えます。情報を得るためには、応募先企業のホームページやパンフレットなどの資料を熟読します。「会社情報」や「採用情報」などの項目を中心に確認していきます。そこから企業が求めているものと自分との共通点を見つけ出します。共通点を中心として、書き出した情報の中から必要ない情報を削除し、企業にとって有益と思われる情報を残します。また、このときにこれまでの経験を活かして企業が目指している方針のもと自分で挑戦したり伸ばしたりしていきたい点があればメモしておきましょう。この先に志望動機として使うことができるかもしれません。
4. 魅力的な職務経歴書を作るためのコツ
職務経歴書を書く準備ができたら、実際に職務経歴書を作っていきましょう。魅力的な職務経歴書を書き上げるためのコツを紹介していきます。
コツ1:見やすくまとめる
職務経歴書は、まず見やすくまとめることが大切です。見やすさで第一印象が決まります。見出しも行間もなく文字がひたすら羅列されている書類は、見にくいものです。1日に多くの職務経歴書や履歴書に目を通す採用担当者に最後まで読んでもらえない可能性もあります。そこで、項目ごとに見出しを作り、適切に改行を入れるなどしてレイアウトを工夫すると見やすくなります。職務経歴書の中では必要に応じて箇条書を活用し、読みやすく簡潔な文章を作りましょう。
レイアウトだけでなく、言葉の選択も重要です。相手が読みやすい言葉を使い、相手に興味を持って読んでもらえるようなキーワードを盛り込んでいきます。例えば、今まで働いていた会社の社内用語や業界用語を使っていないか、その分野をあまり知らない人でもわかりやすい内容になっているかをチェックしましょう。あいまいな言葉を使って成果や実績が不明瞭になっていないかも確認します。また、自己アピールしたいからといって企業や応募する職種にあまり有益でないポイントをいくつも入れていないか注意しましょう。自分の経歴やスキルのうちから募集事項に合ったアピールポイントを絞って、全体的にコンパクトにまとめましょう。職務経歴書が通り面接の機会を得ることになれば、面接官に自分の口で説明することができます。採用担当者に「是非、この応募者と会って、詳しい話を聞いてみたい」と思わせるようにポイントをおさえた文書を作成しましょう。
コツ2:工夫した内容を盛り込む
魅力的な職務経歴書を作るには、工夫した内容を盛り込むことが大切です。業務内容の記載はもちろん必要ですが、その業務を担当するにあたってどのような工夫をしてきたかがもっと重要です。仕事に対する意欲や姿勢を書き、理解してもらいます。個人の業務だけではなく、チームとして課題にぶつかった際、自分は周りにどう働きかけ会社に貢献したのかといった点も書けます。社内・社外の人とどのようにかかわってきたかという内容も盛り込めないか、見直してみましょう。
また、工夫した内容はできるだけ具体的に説明すると効果的です。業務を遂行するにあたって問題があった場合は、その問題を解決するためにどういった取り組みを行ったかも積極的に記載します。こうして、今持っているスキルや能力に加えて、問題解決能力や臨機応変に対応できる能力、そして工夫して業務に取り組むことができる姿勢もアピールします。これまでの職務経験の中で発揮してきた、スキルだけでははかれない自分の力をわかりやすく説明しましょう。
コツ3:自分がやりたいことをアピールする
これまでの職務経験と成果を並べて自分ができることについてしっかりアピールする人はたくさんいます。そのうえで、採用してもらったら自分がやりたいと思っていることもアピールすると効果的です。今後の自分の展望を書くことで、向上心の高さをアピールすることにもつながります。そして熱意をもって真剣に企業への入社を考えていることが伝わりやすくなります。今自分が目指したいものや、今後やってみたい仕事などを記載すると、採用した場合にその企業でどのくらいの意欲でどのようなことを頑張ってくれるのか、採用担当者が想像できるようになります。
目標に向かって今勉強している分野や資格などがあれば、合わせて記載しておくと効果的です。自分でも努力を始めており、実行力があることが伝わります。また、願望をただ述べるのではなく、やりたい仕事に適性があることはしっかり説明しましょう。今までの経験や自分の強みから、確信をもって自分がその仕事に向いていると考えると説明できれば、説得力があります。
5. 職務経歴書の書き方の基本を押さえよう!
魅力的な職務経歴書の作り方のコツがわかったら、職務経歴書の書き方の基本を具体的に確認していきましょう。
基本構成
職務経歴書のフォーマットに決まりはありません。ただし、基本項目として「作成年月日と氏名」、「職歴の要約(200~300文字程度の要約)」、「職歴」、「所有資格や特技」、使用ソフトや語学力などの「知識や技術」、活かせる「経験」、そして「自己PR」などは盛り込んでおくべきといえるでしょう。分量の目安として、A4用紙1~3枚程度にまとめるのが一般的です。
職歴は時系列でもキャリア別でも問題はありません。それぞれの勤務先での業績なども詳しく記載します。異業種への転職の場合は、会社の概要も記載すると採用担当者にとってわかりやすいでしょう。所有資格や特技は、履歴書を補足するような内容にします。最も重要な自己PRは、自分の強みがその企業に入社することでどう発揮できるのかなどを簡潔にわかりやすく記載します。
送り方
職務経歴書を送る際は、必ず送付状を添えます。送付状では、応募する職種と、同封している書類の種類を明記します。送付状にも、書類に興味を持ってもらうためのアピール文を記載すると効果的です。短く簡潔にまとめましょう。郵送ではなくメールで応募する場合は、相手の閲覧環境に影響されないように、書類をPDF形式にして送ります。メール本文も、失礼のないように丁寧に記載して正しいアドレスに送りましょう。
担当者の目を引く職務経歴書を作ろう!
職務経歴書の準備や書き方が理解できましたか。たくさんの応募者の中から選ばれるためには、まず担当者の目に留まる魅力的な職務経歴書をつくり、面接へとつなげることが大切です。準備をして職務経歴書の作成にとりかかれば、難しいものではありません。ここで紹介したポイントを押さえて、しっかりと自己アピールできるように職務経歴書を作り上げましょう。