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2024年12月 | 派遣会社 厳選3社
主婦・子育てママにオススメの派遣会社を紹介!
1. 夫の扶養とは?
扶養とは、「経済的に家族を助けている」ということです。収入などの生活面で助けてもらう必要がある人に対し、扶養者は勤務先に「自分の収入で生活を助けています」という申請をします。夫の扶養に入るケース、妻の扶養に入るケースなど、どちらの扶養に入るかは収入によりさまざまです。専業主婦やパートで働いている人のなかには、夫の扶養内で働いている人も多くいます。配偶者の年収が一定額を下回る場合は扶養しているとみなされ、税金の控除や社会保険の免除など、さまざまな恩恵があるのがメリットです。税制上と社会保険上で得られる恩恵については、以下の段落でそれぞれ詳しく解説します。
税制上の扶養
税制上での「扶養家族」には、配偶者は該当しません。この場合の扶養家族とは、配偶者以外の親族のことを指し、配偶者は厳密にいうと「配偶者控除」を受けられます。所得税と住民税については、扶養の内外で待遇も異なるので、1つずつ詳しく見ていきましょう。
扶養内の場合
税制上の扶養内であった場合、まずそれぞれ以下の特典が受けられます。
・所得税について:派遣の所得が103万円以下(他の所得がない場合)なら配偶者控除を受けられます。万が一これを超えてしまった場合でも、150万円までは「配偶者特別控除」が受けられます。
・住民税について:派遣の所得が100万円以下(他の所得がない場合)であれば住民税は非課税です。市町村により規則が異なるので、詳細については公式ホームページや窓口で相談してみましょう。
以上が、扶養内である場合の特典です。扶養控除は、夫の年収から38万円分の控除が受けられますが、扶養者である夫の年収が1000万円を超えている場合には、配偶者控除は受けられません。
扶養から外れた場合
扶養内の特典については前述した通りですが、入っていた扶養から外れてしまった場合には、次の状態へ切り替わります。
・所得税:夫はそれまで受けていた配偶者控除の恩恵を受けられなくなり、夫が支払うべき税金が増えることになります。妻の方も、当然ながら所得額が増えるごとに所得税がかかるようになるのです。
・住民税:被扶養者の年収が100万円を超えると、扶養内では免除されていた住民税を納める義務が発生します。そのため、妻も単体で住民税を納めなければなりません。
このように、夫の扶養から外れてしまうと、それまで免除されていた税金などを納めることになります。毎月数万円単位の負担が増えることになりますので、よく考えて計算しましょう。
社会保険上の扶養
社会保険上の扶養とは、健康保険や年金に関わる点です。扶養は所得税などの税金だけではなく、社会保険にも影響します。毎月負担する額が変わるだけではなく、将来的にもらえる年金にも影響が出るので、特に理解しておきたい点を解説します。
扶養内の場合
社会保険における扶養は、被扶養者の年収が130万円未満の場合であれば、夫の扶養内です。夫が会社で加入している社会保険に、被扶養者である妻も一緒に加入できるため、扶養内の妻は年金保険料を納める必要がありません。また、健康保険料についても同様で、配偶者のほか、子供も対象となります。勘違いしやすい点に、夫の給与から妻の保険料が支払われているのではないか、という点があります。扶養内での社会保険料は財源から支払われているため、夫が余分に払う保険料はありません。
社会保険を自分で支払う場合、少なくとも毎月2万円ほどが必要になります。家計には大きな金額となるため、扶養内で働いているパートの人は、なるべく扶養内でいるよう勤務を調整することが多いのです。
扶養から外れた場合
社会保険においては、年収が130万円を超えると扶養から外れてしまいます。そうなれば、それまで免除されていた健康保険料や年金保険料を納める必要が生じてしまうのです。もし夫の扶養から外れてしまった際、改めて自分で保険に入り直さなければなりません。社会保険に加入したいと考えた場合、働き方について一定の要件を満たしている必要があるので、派遣会社に相談してみましょう。社会保険に加入する要件を満たさないのであれば、国民健康保険と国民年金に加入するため、役所での手続きが必要です。
2. 扶養から外れるメリット
夫の扶養から外れた場合でも、悪いことばかりではありません。ここからは、扶養から外れた場合のメリットについて紹介します。扶養内で働くべきかと悩んでいる人は、こちらも参考にしてください。
扶養内の壁を意識せずに自由に働ける
1つ目のメリットは、扶養内の壁を意識せずに働ける点です。扶養内でいるためには、年収を意識して常に計算しておかなければなりません。しかし、扶養から外れればそういった年収の縛りがなくなるため、比較的自由に働けるのはメリットといえるでしょう。働き方に制限がなければ、求人も探しやすくなります。また、残業を断らずに済むので、会社としても助かる面が多いのです。しかし、扶養を外れたのにギリギリの年収で働くと、少しだけ増えた所得分より、社会保険料が高くついてしまうことがあります。そうなってしまっては負担がかかってしまうので、扶養を外れてしまうのであれば、年収を増やすため思い切って働いた方がよいでしょう。
老後の年金が増える
2つ目に、扶養から外れると、将来もらえる年金が増える点もメリットです。年金は「国民年金(基礎)」の1階と、そこへ上乗せされる「厚生年金」の2階建ての仕組みになっています。会社員の人たちは厚生年金を支払っているので、将来は2階分の年金がもらえます。夫の扶養に入っている妻がもらえる将来の年金は、本来であれば「国民年金」のみで一階分です。しかし、扶養から外れて自分で社会保険料を納めるようになれば、「厚生年金」を貰えるため2階分となり、将来の年金もそれだけ充実します。将来貰える年金が収入に比例してアップすることになるので、自立したい場合、老後の備えをしたい場合という観点でも魅力です。
3. 扶養から外れるデメリット
続いて、扶養から外れてしまう際のデメリットについても紹介します。こちらも併せて参考にしながら、扶養内でいるかどうかを検討してみましょう。
夫の節税効果が無くなる
夫の扶養から外れるデメリットとしては、夫の節税効果がなくなってしまう点が挙げられます。妻が扶養内の場合に得られる配偶者控除では、妻を扶養する代わりに、夫の所得税や住民税を低くする効果があります。これが失われてしまうと、節税効果もなくなり、夫が納めるべき税金も増えることになります。結果として世帯全体の支出が増すことにも繋がるので、扶養から外れるかどうかを考え、夫婦でよく話し合って決めましょう。安易に扶養を外れた結果、思っていたよりも支出が増え家計を圧迫してしまう、ということにもなりかねません。実際の年収と、扶養から外れてしまった場合の年収をシミュレーションし、イメージしやすくするのがポイントです。
保険料の負担が重くなる
扶養から外れる場合、保険料の負担が重くなる点もデメリットです。妻は扶養から外れることで、妻自身が税金や社会保険料の負担をする必要が生じます。年収がアップしている分仕方ありませんが、扶養を外れてもギリギリの年収で働いていると、世帯収入で見るとかえって損をしてしまうこともあり得るのです。扶養から外れる前よりも損をしないよう、注意して確認するようにしましょう。しかし、前述したように、年金が増えるなどのメリットもあります。現在の収入状況をもとに先々の収入を予想し、扶養から外れるかどうかを夫婦で話し合って検討しましょう。
特に保険料は年収から金額が決まりますので、扶養が外れた翌年からは、数万円単位の負担が増えることになります。負担分が増えても大丈夫かどうか、年収の予測を立てておくことが重要です。
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4. 派遣で働くにあたり扶養に入るべきか考えたいポイント
派遣として働くにあたり、夫の扶養について考えておきたいポイントを紹介します。外れるかどうかを話し合う際には、こちらを参考にしてください。
年間の所得をよく見極める
派遣として働くにあたり、扶養に入るべきかどうかについては、年間の所得を見極めることが重要です。今回紹介した扶養の範囲は、いずれも妻の働き方によって、超えるか超えないかギリギリのラインになっています。1円でも超えてしまえば恩恵は受けられず、かえって大きな損になってしまうため、年間の所得を把握しておくことが大切です。もしギリギリで超える可能性がある場合には、思い切ってたくさん働くか、派遣会社に相談して扶養内で働かせてもらうか、どちらかの対策をしなければなりません。
ですが、もし年収を大きく増やせるチャンスがあるならば、扶養内を気にして少なく働くよりは、年収を増やしていく方向を考えた方がよいかもしれません。働き方に関してはそれぞれのスケジュールや家庭状況も関係しますので、個人に合った働き方をイメージして検討しましょう。
派遣会社の社会保険制度を確認する
扶養について考える際には、派遣会社の保険制度を確認しておくことも大切です。年間130万円を超える場合には、扶養する必要がなくなったとみなされ、夫の社会保険に加入することができなくなります。その場合には、派遣会社で社会保険に加入するか、自分で役所まで手続きに行く必要があります。社会保険には勤務時間や日数などの要件があり、派遣会社によってさまざまです。扶養から外れる可能性がある場合には、今の勤務形態で社会保険に入れるかどうかも含め、事前に派遣会社へ確認すると安心でしょう。
確認や加入手続きには時間がかかることもあり、扶養から外れる可能性が出たら、早めに確認しておくのがおすすめです。確認しているうちに外れてしまった、ということのないよう、各要件をきちんと把握しておきましょう。
夫の扶養手当も確認する
派遣で働きながら扶養について考える際には、夫の「扶養手当」についても意識することが必要です。扶養には社会保険や税金の控除などがメリットとして挙げられますが、そのほかにも、会社が独自に「扶養手当」などを支給している場合があります。扶養手当は、扶養している人がいる従業員に、別途手当として支払われるもので、わずかでも夫の収入アップにつながっている可能性もあるでしょう。会社によって異なるので、実施していないこともあります。扶養を外れるかもしれないときには、扶養控除とは別に、夫が会社で扶養手当を支給されているかどうかを確認しておかなければなりません。
扶養から外れてしまえば、当然こうした扶養手当なども支払われなくなってしまうので、改めて確認をし、損をしない方法を取れるようにするのがベストです。支払われているかどうかだけではなく、扶養手当の金額についても確認しておきましょう。支払われてはいるものの、自分たちにとってさほど気にする額ではないようであれば構いませんが、大きな額になる場合はよく考えて動きましょう。金額も会社ごとに決められていますが、1万円ほどであることが多いです。
派遣会社に相談するのも一つの手
扶養について悩んだら、派遣会社に相談するのも手段の1つです。派遣会社には、コーディネーターや担当者がいます。派遣で働くたくさんの人を見てきたプロですので、希望や悩みに合わせ、話を聞いてくれることが多いでしょう。特にこれから派遣として働くのであれば、扶養について伝えておくと、希望に合った求人を紹介してくれます。扶養について考える際には、自分のケースだけでは答えが見えづらいものです。さまざまなケースを見てきたプロであれば、これまでのケースに当てはめて検討してくれるので、こうした方がよい、などのアドバイスももらえるでしょう。
また、扶養に入っている、入る予定があるなどの場合は、仕事の紹介を受ける前に希望条件として相談しておきましょう。いざフルタイムでの仕事を始めてから、扶養内で働きたいと申し出ても、会社としては困ってしまうことがあります。派遣会社と派遣先の会社双方に迷惑がかからないよう、扶養に入るかどうかも加味して求人を探しましょう。
ライフスタイルに合わせて扶養を外れるべきかどうか検討しよう
扶養に入っているべきか抜けるべきかは、家庭の方向性やライフスタイルによっても異なり、共通する正解はありません。派遣社員としてフルタイムに近い働き方をするのであれば抜ける可能性もありますが、短期や週の労働時間が少ない場合には、扶養内にとどめておく選択肢もあります。安直に扶養から抜けると、世帯収入で損をする可能性もありので、必ず配偶者と相談して決めるようにしましょう。