目次
2024年11月 | 派遣会社 厳選3社
1. 契約社員と派遣社員の根本的な違い!
契約社員と派遣社員はどこがどう違うのか分からないという人も多いでしょう。そこで、まずはその根本的な違いから説明します。
雇用形態の違い
契約社員と派遣社員はそもそも雇用形態が異なります。契約社員の場合、勤務先の企業と直接雇用契約を結びます。一方、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶ雇用形態です。この違いは、労働条件について交渉する際に大きなポイントとなります。たとえば、働いているうちに仕事内容や給料などの件で勤務先となんらかの交渉をしなければならないことがあるかもしれません。そのような場合、契約社員は職場の人と直接交渉します。なぜなら、契約社員はその勤務先に雇用されているからです。しかし、派遣社員の場合は職場の人ではなく、派遣会社に連絡して交渉してもらうことになります。というのは、派遣社員は勤務先企業に雇われているのではなく、派遣会社に雇われた後、勤務先に派遣されているからです。
給与形態の違い
契約社員と派遣社員では給与形態も異なります。契約社員の場合、多くは勤務先からの月給制です。交通費は別途支給されることが多いです。一方、派遣社員は時給で換算した派遣料金を派遣会社が支払います。その際、交通費は含まれないことも多いです。月給制である契約社員だと勤務日数が少ない月でも同じ収入を得られるため、派遣社員よりも安定しているといえます。
また、契約社員の場合、勤務先によってはボーナスがもらえることもあります。派遣社員にはボーナスはありません。とはいうものの、契約社員に支払われるボーナスの額は正社員と比較するとかなり少ないケースがほとんどです。派遣社員は交通費もボーナスもありませんが、その分があらかじめ時給に上乗せされています。そのため、派遣社員は比較的高めの時給額になっていることが多いです。
業務内容の違い
契約社員と派遣社員では業務内容が異なります。契約社員は正社員ではないものの、勤務先の社員として扱われます。そのため、比較的高度な仕事を任されることが多いです。仕事にやりがいを感じられる反面、どのような仕事でも正社員と同様にやらされるので負担が大きくなるかもしれません。派遣社員の場合、どのような仕事を与えられるのかは派遣会社との契約時に定められます。基本的にそれ以外の仕事に従事させられるようなことは少ないです。契約社員よりも派遣社員のほうがより気楽に働けるといえるでしょう。契約社員も派遣社員も残業は正社員と比較すると少なく設定されており、契約社員は10~30時間、派遣社員は0~10時間以内というケースが多いです。ただし、これは勤務先の会社によりけりです。契約社員でも残業がない場合も多くあります。
契約期間の違い
契約社員と派遣社員の共通点は、どちらも契約期間を定めて勤務先と労働契約を結ぶ、ということです。契約社員であれ派遣社員であれ、1回あたりの契約期間は3年以内です。ただし、契約社員の場合、高度専門職の人や満60歳以上の人は5年以内となっています。契約社員と派遣社員で異なるのは契約更新の頻度です。契約社員の場合、契約更新は半年か、または1年ごとに行います。一方、派遣社員の場合、更新は3カ月ごとです。
契約満了時の違い
契約社員は1回当りの契約期間の上限は3年ですが、契約更新により3年以上の契約が可能です。また、同じ事業所で累計5年間を経過した場合、勤務先と無期限に雇用契約できる権利が発生します。派遣社員の契約期間の上限も、契約社員と同じく3年です。しかし、派遣社員の場合、3年経つと契約更新はありません。そのため、基本的に派遣社員は同じ業務で3年経過すると、それ以上同じ業務を継続することはできないのです。というのは、派遣先企業が派遣社員を同じ事業所の同じ業務で3年以上働かせたい場合には、その派遣社員と直接雇用契約を結ばなければならない、というルールがあるためです。
契約終了後の違い
契約社員は、場合によっては契約更新時に正社員として雇用されることがあります。というのは、契約社員は同じ職場で5年以上働くと、その勤務先企業と無期限雇用契約を結ぶ権利が発生するためです。とはいうものの、そのことを見越して3年か、あるいは5年で勤務先から契約満了として解雇されてしまうこともあります。その場合には、通常は自分自身で次の仕事を探さないといけません。一方、派遣社員にも同じく雇用期間が3年という上限があります。そのため、3年経つとまた別の仕事先を探さなければならなくなることが多いです。とはいうものの、派遣社員であれば登録している派遣会社が次の仕事を探してくれます。契約終了後に正社員になれる見込みがないのであれば、派遣社員のほうが次の仕事を探しやすいでしょう。
2. 契約社員と派遣社員のメリットとデメリット
契約社員と派遣社員にはそれぞれどのようなメリットとデメリットがあるのか、気になる人も多いでしょう。そこで、ここからは契約社員と派遣社員のメリットとデメリットについてそれぞれ説明します。
契約社員のメリット
契約社員のメリットは、正社員ほどではないにしろ安定性があるということと、仕事にやりがいを感じられるということです。契約社員の多くは月給制で、交通費も正社員と同様に別途支給されることが多いです。そのため、遠距離通勤でも交通費を気にする必要はありません。ただし、交通費の支給があるかどうかは会社によって異なります。遠方から通うことになる場合は、あらかじめ調べておくことが大切です。
また、契約社員は派遣社員よりも仕事にやりがいを感じられることが多いです。勤務先に直接雇用されているわけではない派遣社員は、主に補助的な業務を与えられることになります。一方、正社員ではないものの勤務先から直接雇用されている契約社員は、より重要な業務を勤務先から任されるケースが多いです。そのため、スキルアップやキャリアアップにつながります。その能力や人間性が認められて会社に必要な人材だと判断されれば、勤務先から正社員として雇用されるケースもあります。
契約社員のデメリット
一方、契約社員は勤務先の会社から直接雇用されるため、上司からパワハラを受けたり、サービス残業を頼まれたりすることもあります。また、仕事上は直接雇用なので正社員と同様のスキルを要求されるにもかかわらず、給料や福利厚生には差があることが多いです。こうしたことに不満を感じたときや雇用条件に要望がある場合、契約社員は勤務先の会社と直接交渉しなければなりません。
また、契約社員は働き続けていれば必ず正社員になれる、というものではありません。契約満了と同時に勤務先から解雇されてしまうこともあります。そうすると、その後は自分自身で新しい仕事を探さなければならないため、次の仕事が見つかるかどうか、といった不安が大きいです。
派遣社員のメリット
派遣社員のメリットは、気楽に働けるということです。勤務先企業にとって派遣社員は外部の人です。そのため、上司からのパワハラなどを受けにくく、人間関係で悩むことが少ないでしょう。また、派遣社員は勤務先に直接雇用されているわけではないため、勤務先の時給や待遇についての要望があった場合にも派遣会社に勤務先と交渉してもらえます。残業が発生した場合にも、派遣社員が残業するかどうかについて勤務先は派遣会社を通さなければなりません。そういったことから、派遣社員がサービス残業をさせられることは少ないですし、残業をすると必ず時給が発生します。もしも勤務先が嫌な職場だとしても、契約更新をしなければ3カ月で辞められます。契約満了となってしまっても、次の仕事は派遣会社が紹介してくれます。そのため、自分で仕事を探さなければならない、といった不安を感じることはありません。
また、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるというのも大きなメリットです。とりわけ女性の場合、結婚や出産、子育てなどのライフイベントによって生活習慣が変わることも多いでしょう。そうした場合でも、派遣社員では今の自分の生活スタイルに合わせた働き方ができます。契約社員と違って長期の休暇を取ることも可能です。
派遣社員のデメリット
派遣社員の場合、最長で3年までしかその職場で働けない、という縛りがあります。そのため、長期間安定して同じ業務に就くことはできません。また、基本的に派遣社員の業務は補助的な役割となります。要求された日々の業務に従事するだけなので、仕事にやりがいを感じたりスキルアップにつながったりする機会はあまりないでしょう。とはいうものの、こうしたデメリットが気になる人は、「紹介予定派遣」という正社員になるための派遣を選ぶのがおすすめです。紹介予定派遣とは、最初の数カ月を派遣として働いた後に正社員になれる可能性がある、というものです。派遣社員として働く期間は派遣会社のサポートを受けられるので、担当者に相談して不安を解消できるでしょう。
また、派遣社員は交通費が時給に含まれていることが多いです。遠距離での通勤になるという人は、それだけ交通費の負担が大きくなるかもしれません。しかし、通常の派遣求人でも交通費の全額支給や一部支給という案件も多くあります。都市圏から離れたところに住んでいるという人は、そういった案件を中心に探してみるとよいでしょう。
3. 契約社員か派遣社員か迷ったときは?
契約社員か派遣社員かのどちらの形態がいいのか迷ってしまったとき、自分はどちらが適しているかを判断するためのポイントを解説します。
契約社員がおすすめの人
契約社員に向いているのは、将来は正社員として雇用してもらうためにスキルアップしていきたい、と考えている人です。勤務先の企業やその職種に強い関心があり、待遇面で劣っても正社員とできるだけ同じ条件で働くことを希望する人は、契約社員を選んだほうがよりメリットを感じられるでしょう。すでに明確なキャリアプランがあるのであれば、契約社員として働くことはステップアップにつながります。また、労働条件への要望などは人任せにせず、自分で勤務先の会社と直接交渉したい人も契約社員に向いています。その場合には第三者が介入しないため、より早く解決につながります。
派遣社員がおすすめの人
仕事とプライベートのどちらも大切にしたい、という人は派遣社員がおすすめです。派遣社員であれば自分にできる範囲の仕事だけをすればよく、残業が発生することもあまりありません。そのため、より気軽に働くことができます。家事や育児、介護が忙しいという人や、働きながら趣味の時間を確保したい、という人でも派遣社員ならば働きやすいです。仕事探しや労働条件の交渉などに気を使いたくない、という人も派遣社員に向いています。
また、派遣社員の場合には大手企業で働けるチャンスがあります。そうした大企業のオフィスは綺麗で快適なことが多いため、整った環境で働きたい人は派遣社員を選ぶとよいでしょう。まだ将来のキャリアプランを決めかねていて、さまざまな職場を体験してみたい、という人にも派遣社員がおすすめです。派遣会社ではさまざまな職種の募集があるので、その中から興味ある仕事を探してみましょう。
4. 派遣で働きたい人に派遣会社選びのポイントを紹介!
派遣社員として働く場合には、どこの派遣会社に登録するのかが満足して働けるかどうかの重要なポイントとなります。そこで、ここでは派遣会社の選び方について説明します。
優良派遣事業者に認定されていること
日本では派遣会社がおよそ8万5000社もあるといわれています。その中からまずチェックするべきポイントは、その派遣会社が厚生労働省から委託を受けた認定機関かどうか、ということです。この認定機関となっている派遣会社を優良派遣事業者と呼びます。優良派遣事業者とは、法令を遵守しており、派遣先と派遣社員の両方に安心できるサービスを提供できる基準を満たしている、と厚生労働省が認定した派遣会社のことです。優良派遣事業者の数は2018年4月の時点で162社です。つまり、8万5000社ある日本全国の派遣事業者のわずか1%未満しか認定されていません。それだけ厳しい基準を満たしている派遣会社を選べば、その後も安心して働けるでしょう。
希望の職種が豊富に揃っていること
派遣社員として働くメリットのひとつは、さまざまな職種から仕事を選べるということです。ですから、したい仕事があらかじめ決まっている場合には、登録した派遣会社にその仕事がなければ意味がありません。信頼できそうな派遣会社を見つけたら、その派遣会社のホームページなどを確認して、自分が希望する求人が豊富に揃っているかどうかを確認することが大切です。派遣会社のタイプによって得意分野は異なります。自分が希望する職種に強い派遣会社を選びましょう。
スタッフが十分に揃いフォロー体制が万全であること
派遣会社の質は各社で異なります。この場合の質とは、仕事の求人数はもちろんのこと、フォロー体制やトラブル時の対応など派遣会社のスタッフの質のことでもあります。一般的には、スタッフが十分に揃っている派遣会社はそれだけフォロー体制が整っており、トラブル時の対応も安心できます。周囲の評判やインターネット上の口コミを参考にしてみるのもおすすめです。
スキルアップや研修制度、福利厚生が充実していること
派遣会社でも福利厚生が充実しているところは多いです。とりわけ大手の派遣会社では、スキルアップ支援制度としてパソコンスキルやビジネスマナー、語学など多種多様の研修が無料で受けられるようになっています。条件を満たせば社会保険に加入することができたり、有給や健康診断、育児休業制度のような福利厚生が充実していたりする派遣会社も多いです。また、派遣会社によってはショッピングやレジャーのような余暇に対する福利厚生を受けられるところもあります。そうしたこともまた、派遣会社を選ぶ際のひとつのポイントです。
派遣社員と契約社員の違いを理解して、自分に合った働き方を!
働きやすさを重視するなら派遣社員がよいですが、将来は正社員として働きたいなら契約社員のほうが満足できるかもしれません。どちらの働き方も一長一短があります。自分のライフスタイルに適したほうを選びましょう。今はまだ正社員になることまで考えていない、という人は派遣社員として働くのがおすすめです。