派遣の契約更新のタイミングはいつ？更新時にできることは？

派遣の契約更新のタイミング

契約更新は、派遣として働くうえで欠かせない手続きといえます。というのも、派遣は雇用期間の定めがあるからです。期間は人によって3カ月や6カ月というようにさまざまですが、雇用期間を過ぎても同じ職場で働き続けたい場合には契約更新が必要となります。契約更新のタイミングについては、1カ月以上前に派遣会社が確認を行うのが一般的です。これは、労働基準法により1カ月以上前に告知をすることが定められているためです。契約更新には派遣先・派遣スタッフの両方が承諾する必要があるため、ほとんどの派遣会社は日数に余裕をもって確認をしてくれます。 流れとしては、まず派遣会社から派遣先に契約更新の確認連絡をし、その後派遣スタッフにも確認の連絡がいきます。そこで更新の合意があれば、それを派遣先に伝えるのが一般的です。ここで、契約の確認を派遣先ではなく派遣会社が行うことに意外性を感じる人もいるかもしれません。派遣スタッフは、派遣先ではなくあくまで派遣会社と雇用関係を結んでいる立場であるため、こういった話は派遣会社を通すのが一般的です。また、初めて契約更新をする人は、このとき口頭だけの確認にとまどうことがあるかもしれません。しかし、法律でも口頭の確認が認められているため、書類を作成するケースのほうが少ないのです。 また、もし「契約が終わるまで1カ月を切っているのに何も連絡がない」という場合には、派遣会社に連絡して確認してみましょう。契約更新がされなかった場合でも、本来ならば1カ月以上前までにはきちんと連絡が来るはずです。それにもかかわらず何も連絡がないということは、派遣会社が連絡ミスをしている可能性もあります。何も連絡がないと「自分は契約更新してもらえるのか」と不安になるかもしれませんが、まずは慌てず確認するのが第一です。

派遣の契約更新時にできること

契約更新をするときには、ただ更新を行うだけでなく、自分の雇用状況について意見を述べる絶好の機会となります。たとえば、派遣会社を通して時給交渉をすることも可能です。このとき、ある程度長く働いていれば時給を上げてもらえる可能性も高くなります。目安としては、「1年以上同じところで働いた場合」と考えておくといいでしょう。派遣で働く場合、契約は3カ月ごとというケースが多くなります。つまり、契約更新を4回繰り返したときが交渉のタイミングです。それだけの期間働いたことによって信頼性もできるため、交渉を受け入れてもらえる可能性が高くなります。このとき、時給交渉を行う相手は派遣先ではなく派遣会社なので、間違えないように注意しましょう。 具体的な金額については、派遣会社に任せてもいいですし、希望する金額を述べても問題はありません。どちらにしても、派遣会社に時給交渉することで派遣先にも連絡がいき、そこで「問題ない」といわれればあっさりと時給は上がります。最終的に、派遣先の判断にゆだねられるのです。「交渉したところで時給は上がらないだろう」と思っている人もいるかもしれませんが、行動しなければ何も変わりません。「駄目で元々」くらいの気持ちで、派遣会社に時給の交渉をしてみましょう。 それから、基本的に派遣は同じ会社で3年以上働けないシステムになっています。これは、2015年に施行された改正労働者派遣法にもしっかりと明記されています。しかし、3年以上働きたい場合には派遣されている企業へ直接雇用を依頼することが可能です。そのためには、日頃の業務を真面目にこなし、派遣先から良い評価をもらえていることも重要になります。ただし、もし派遣先への直接雇用が実現しなかった場合でも、派遣会社にはいくつかの措置を取ることが義務付けられているのです。そのため、「仕事がなくなって困る」という状況になる可能性は低いでしょう。また、「3年以上働けない」というのも、実は「同じ部署では3年以上働けない」という意味になっています。部署さえ変われば別組織と判断されるので、同じ組織で働くことは可能です。

派遣の契約更新は断ってもいいの？

契約更新時に、さまざまな事情から「更新を断りたい」というケースもあるでしょう。そのようなときは、派遣の契約更新を断ることができます。ただし、その場合には契約期間が終わる1カ月以上前に派遣会社の担当者に連絡する必要があるので注意しましょう。その際には、ほとんどの場合「契約更新しない理由」を聞かれますが、これは今後も同様の理由で辞めてしまわないかを心配しているためです。理由によっては、引き止めにあったり強引に更新させようとしたりするケースもあります。 そのため、契約更新を断るときは、派遣会社とそのとき働いている会社の両方に納得してもらえるような理由を伝えることが重要です。たとえば、「他に就きたい仕事がある」「家庭の事情が変わった」「正社員で仕事が決まった」などの理由であれば、納得してもらいやすくなります。ただし、何回も契約更新を断っていると「仕事が続かない人」と取られてしまうので気を付けましょう。将来的にも派遣という働きかたをしていきたいのであれば、断りかたには注意してください。 もし、契約終了の後も派遣で働きたいなら、仕事探しはいつから始めても大丈夫です。中には、まだ契約が終了する前から探し始める人もいますし、それは決してルール違反ではありません。1ついえるのは、すぐに次の仕事に就きたいなら、早めに行動することが大切だということです。というのも、派遣は仕事を見つけるのに時間がかかることが多く、「なかなか仕事が決まらない」ケースも多いからです。空白期間を作ってしまうと非常にもったいないため、可能なかぎり早めに動いていくことが大切となります。

注意したい派遣の契約更新のポイント

契約更新時に注意したいポイントとして、契約更新が近づいてきても担当者から連絡がない場合には、自分から問い合わせをするようにしましょう。だいたいの派遣会社では1カ月前までにきちんと確認の連絡がきますが、中にはなかなか連絡がこないケースもあります。契約更新は口頭だけでも済ませられるので、どうしてもルーズになってしまう担当者がいるのです。こういったパターンは、決して少なくありません。そのため、契約の終了が近づいてきたら遠慮せずに自分から確認するようにしましょう。 また、契約更新の確認は口頭で行われる場合も多いことから、更新について「言った、言わない」のトラブルが起きることもあります。確認を丁寧にしてくれる派遣会社を選んだほうが、安心して働けるでしょう。派遣として働き続けるかぎり、ずっと派遣会社との関係は続いていきます。信頼できる派遣会社を選ぶことで、もしものときに頼れる心強い味方になってくれるはずです。